「農民」記事データベース20000424-447-07

梅干し・らっきょう漬

原料原産地表示へ

JAS検討委 梅農家の強い要望で


 安い中国産の梅を原料にした梅干しが増える中で、梅農家から強い要望が出た「梅干しの原産地表示」が、ようやく実現されることになりました。日本農林企画(JAS)協会の「加工食品の原料原産地検討委員会」(農水省が委託)が三月、報告書をまとめたもの。「加工の程度が比較的低く原材料がおおむね原形を留め」、特産地との関連が深いとして、当面は梅干しとらっきょう漬けの二食品が対象ですが、これに限らず幅広く検討していくとしています。

 これまで加工食品は、国際的にも最終加工地が原産国(地)として表示されてきました。ですから、二分の一から三分の一と安い中国産の梅を輸入して、主産地の和歌山県で加工しても「和歌山産」。近年の中国産梅の輸入量は十年前の百倍にもなり、それを使った梅干しを「紀州南高梅」などと不当表示して販売するケースが目立っていました。

 これに対し、和歌山県農民連は、国・県に対してたび重ねて表示を強く要請。また、和歌山県南部川村では、村長を先頭に村議会あげて働きかけをしてきました。

 今回の報告書は、こうした運動が実り、改正JAS法による表示に特例をもうけ義務化する方向です。ただし、実施時期については未定。表示にはWTOへの通報が必要で、JAS協会内に専門委員会を置き、表示方法とともにさらに検討していくとしています。

南部川農民組合長の中家克巳さん(南部川村議)の話

 梅農家の切実な願いが実現してうれしく思う。農民組合をはじめ、市民、村民の運動の成果だ。今年一月にも、南部川村議全員で農水省に要望してきたところだ。その時は、日本共産党の衆院選予定候補者も同席してくれた。

 消費者も「国産のものを安心して食べたい」と思っている。他の加工品にも表示を広げていきたい。

(新聞「農民」2000.4.24付)
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2000年4月

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