「農民」記事データベース20001127-472-04

農民連・畜全協が農水省交渉

「加工原料乳価・肉価上げ営農保障を」

関連/農政局に要求


 農民連と畜全協は十一月七日、畜産振興審議会を前に農水省交渉を行い、以下の八項目を要求しました。

 (1)加工原料乳、飲用乳価の引き上げと不足払い制度の継続、(2)食肉安定基準価格や子牛保証基準価格の引き上げ、(3)し尿処理の簡易化、補助の引き上げ、(4)口蹄疫、O-157対策と国産ワラ・飼料増産への補助引き上げ、(5)学校給食牛乳へ補助継続、(6)成分一〇〇%以外を“牛乳”と呼称しないこと、(7)畜産農家の抜本的負債対策、(8)雪印乳業のリストラ中止、明治乳業の争議解決で安全供給を。

 農民連 加工原料乳価は毎年下がり七十二円と暴落している。酪農家は赤字で苦しみ、地域もたいへんだ。水やジュースと比べて安すぎると思わないか。補給金では、乳価は下がるばかりだ。不足払い制度を残して保証乳価を大幅に引き上げ、安心して営農できるようにせよ。

 農水省 価格が上がると需要者が逃げる…。

 農民連 いったい誰の味方なのか。乳価、肉価を引き上げよ。

 農水省 上司に伝える。

 農民連 北海道ではし尿処理施設が一割しかできていない。所得は下がっているし、これ以上の借金はできない。畜産をやめるしかない。乳価を上げるなど抜本的な対策をすべきだ。

 農水省 乳価引き上げというわけには…。補助の予算枠はあるが…。

 農民連 借金を抱えながら、深夜まで働き詰でがんばっている畜産農家の経営が成り立つように畜産物の輸入を減らすべきだ。

 その他の要求では、農水省は「国産ワラ増産のための一キロ三十円の補助継続は検討したい」「学校給食牛乳の補助予算は要求している」「明治乳業には要望を伝える」と回答しました。

◇   ◇

 畜産振興審議会は、十一月八日に食肉部会、九日に酪農部会が開かれ、農水大臣の諮問どおり答申しました。農水省は、農民連の要求に反して、牛肉の安定基準価格を五円下げ(豚肉の安定基準価格と肉用子牛保証基準価格は据え置き)、加工原料乳価の補給金単価を現行の一キロ十円三十銭とし、限度数量は二百二十万トンで十三万トン減らしました。

 来年四月から実施予定の加工原料乳の相対取引では乳業会社の買いたたきが野放しにされます。農家と国(一対三)が拠出する経営安定対策は、実際の取引価格が補てん基準価格(一キロ六十一円八十三銭)を下回った場合、その差額の八割を補てんするというものですが、米の経営安定資金制度と同しで、早晩破綻することは目に見えています。


農政局に要求

農民連関東ブロック代表

 農民連関東ブロック協議会の代表三十人は十一月十日、関東農政局を訪れ、八千三百四十八人分の陳情書を渡し、米価下落をやめさせ、激増する輸入農産物を規制するセーフガードの発動を要求し、交渉しました。参加者は「外米輸入の影響で、米価が一俵一万二千円に暴落し、大規模農家も食べていけない」「ネギが二十キロで三百円、四百円だ。中国からの開発輸入を厳しく制限してほしい」と実情を伝え、ただちに実態調査を行い、セーフガードを発動するよう要求しました。対応した担当者は「みなさんが考えているほど、たくさんの輸入はない」などと不誠実な態度に終始しました。

(埼玉県連 松本慎一)

(新聞「農民」2000.11.27付)
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2000年11月

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