「農民」記事データベース20010205-479-03

KSD政界汚職

自民党丸ごと腐敗

ヤミ献金、党費立替えなど四ルート


 「KSD中小企業経営者福祉事業団」汚職事件は、古関忠男前理事長が、自らの野望を達成する目的で自民党への金権攻勢をかけ、多くの自民党議員がそれに群がり、総額十五億円とも二十億円ともいわれる中小企業経営者の災害補償共済金を流用した政界大腐敗事件になってきました。

 中枢部が関与

 KSDは会員百七万人、年額会費は二万四千円、総額二百五十億円、補助金百三十七億円の公益法人です。小山孝雄参院議員と辞任した額賀経済財政相らが「ものつくり大学」建設促進を国会で質問し、ヤミ献金を受け取った汚職事件ですが、その後、村上正邦参院議員会長(辞任)、亀井政調会長の名も報道されるなど自民党中枢部に及んできています。

 公益法人は政治活動ができません。古関理事長(当時)は任意団体のKSD豊明会をつくり、自民党へのヤミ献金、党費立て替え、政治献金、機関紙への広告掲載料の四つのルートでつぎ込んだもの。

 逮捕された小山議員は村上正邦参議院議員の「秘書」と言われる人物。村上氏はKSDを支援する豊明議連(中小企業経営問題議員連盟)の会長で小山氏はその事務局長。その力で「ものつくり大学」では補助金を増額。外国人研修生受け入れ事業ではパスポート問題などで支援してきました。

 勝手に党員登録

 小山議員が逮捕されたのは二千万円の受託収賄容疑、いわゆるヤミ献金です。額賀氏も「秘書が預かった千五百万円問題」で参院選と通常国会をにらんだ執行部に詰め腹を切らされました。

 参院選挙では、会員を勝手に自民党員に登録、党費をKSDに負担してもらって本部に納入、名簿順位を上げて当選。自分の身に火の粉が降りかかると見るやさっさと参院議員会長をやめ、だんまりを決め込む村上正邦元労相の十九万人分五億円など、五年間で約三十万人分十二億円。

 政治献金では、自民党豊明支部を通じて受け皿の豊政連に脱法的なやり方で二億数千万円。

 自民党機関紙への広告料は、五年間で百三十回分と報じられ、この三ルートが自民党本部に入ったものです。そのほかにパーティ券や陣中見舞いなどでは森総理の名も出てきます。

 無責任な森首相

 発足以来三人の大臣がやめた森内閣。任命権者の森総理・自民党総裁はそんな中でもノーテンキにアフリカやギリシャへ「旅行」に出かけ、夜は連日料亭通いで、全く責任を感じる気配もなく、額賀経済財政相の後任にこれもKSD豊明議員連盟に加入している麻生太郎氏を任命しました。

 これは、事件に関係あるなしにかかわらず、「砂糖に群がるアリの一匹」ともいえる政治家をまた選任したことになり、国民の怒りも理解できず、ことの善悪も分からない森首相は総理としても政治家としても失格のうえ、自民党そのものが自浄作用が働かなくなった政党であることを改めて証明したことになります。

(新聞「農民」2001.2.5付)
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2001年2月

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