「農民」記事データベース20010205-479-07

千葉県農民連が地元加工業者と提携

“国産の落花生は味がいい”


 ビールの良き友、ピーナッツ。お茶請けによし、料理してもおいしい。このピーナッツ、つまり落花生の大産地、千葉県農民連が地元加工業者と共同でつくった落花生が「さすが国産、味が違う」と好評を博しています。

 千葉県は、落花生の生産量の七五パーセントを誇る全国第一位。「千葉半立(はんだち)」というおいしい品種にも恵まれて、とくに八街は産地として有名です。ところが最近、中国からの輸入ものに押されて、作付面積がどんどん減っています。市販に出回っている落花生のなかには、表示は「国産」でも輸入物を混ぜているものや、「八街落花生」など大書きしながらまったくの輸入物まであります。「豆類の落花生は土作りにとっても大切な作物。なんとか“生産すれば売れる”道をつくっていこうじゃないか」と千葉農民連では加工業者をさがしてきました。

 この声に応えてくれたのが、八街の加工・販売業者「高安商店」です。代表取締役の高安幸夫さんは「こういう取り組みは大歓迎。うちは一切輸入物は扱わない。消費者には本当においしい、本物を食べさせたいし、国産しか扱わないことがうちの信用でもあるんですよ」と言います。

 落花生の味は、原料の品質と同時に、「炒り」具合が決め手。農産物は当然、大きさや品質が不揃いですが、これを同じ品質に炒り上げるのが、大量生産ではできない職人技です。機械や人手で何度も選別し、最終製品になる頃には半分に減ってしまいます。大変な手間がかかりますが、「農家が一年かけて作ったんだもの、おろそかにはできない。消費者の人から“高安さんの豆はうまい”と言われるとうれしいよ」と、顔をほころばせる高安さん。「これはゼニカネに代えられない励み」と言います。

 加工業者はいま激減しています。「それだけにいま八街で残っている加工業者は職人肌の業者ばかり。炒りの技術がちゃんとしていたからこそ“八街産”がブランドになった」(高安さん)――農家にとっても加工業者の大切さを痛感させる言葉です。

 「農家が生産を続けるかぎり、うちも作り続ける。最近、国産の落花生が見直されてきて、そう悲観していない。“炒り”はこちらががんばるから、農家はもっと量を生産してほしい」――なんとも心強い「農民連落花生」のタッグチームです。


価格設定もユニーク

 生産者価格の設定方法もちょっとユニークです。まず高安商店に市価(三〇キロ一万三千円)で買い取ってもらいます。加工料や袋代などを含めると製品は五百グラム千百円。この価格で目標の全量を売り切ると、生産者の希望価格との差額三千円が上乗せ清算されるという仕組み。生産者も業者も双方が納得できるように、何度も打ち合わせた結果、この方法に落ち着いたそうです。

 *「これこそ本物落花生」の申し込み先 千葉県農民連
 電話〇四三-四四三-九二六〇 一袋五〇〇g千百円(送料別)

(新聞「農民」2001.2.5付)
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2001年2月

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