「農民」記事データベース20010205-479-08

韓国の農業を訪ねて

岩 手


 昨年十一月二十二〜二十七日、「韓国の“農”と“食”を訪ねる旅」(岩手県内の農民連や農協労組・農協・生協などでつくる「いわてコメネット」主催)というツアーに参加しました。これは、昨年二月の盛岡でのシンポジウムに招いた韓国全農議長の鄭光勲さんとのつながりで実現したもの。

 訪問地は三カ所で、最初に訪れたのは韓国全農の劉相郁事務総長の梨園(写真)。五町歩の農園を三名で共同経営しています。都市の消費者に直送販売を行っているほか、ジュースをつくるなど商品開発にも力をいれています。

 次に、鄭議長の水田。国が海を干拓してつくったところで、見渡すかぎり収穫後の田んぼが広がっていました。鄭さんは仲間と共同で六年前から五町歩の水田を借りて経営。干拓地ならではの苦労があるようです。

 最後に見たのは、韓国最南端の岬近くで全農の役員が参加している営農法人のガラスハウス。二千四百五十坪あるガラスハウスは建設に約三千万円かかり、うち半分を国庫補助で、残りを自己資金で調達。パプリカを水耕栽培し、周年出荷しています。韓国ではパプリカを食べる習慣がないので、高く売れる日本に主に輸出しています。

 今回見た三カ所は、いずれも国や自治体から補助が出ています。しかし、補助の償還の負担が農家の実態からみて重すぎることや、WTO体制による農産物の輸入で価格が暴落していることから、農家の経営はかなり厳しくなっているとのことです。

(岩手県農民連 岡田現三)

(新聞「農民」2001.2.5付)
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2001年2月

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