「農民」記事データベース20010212-480-07

全税関勝訴 東京高裁

国の不当労働行為認める

関連/上山興士さんの談話


 大蔵省税関職員でつくる全税関労働組合(全税関・上山興士委員長)の東京支部と、労組員約百人が「全税関組合員であることを理由に昇給などで差別された」として、国に差別是正、慰謝料などの支払いを求めていた訴訟の控訴審判決が、一月二十六日東京高裁であり、一審に続き当局による組合差別と不当労働行為を認め、組合への損害賠償支払いを命じました。

 この日、高裁前には多くの組合員と支援者がつめかけ、かたずを呑んで判決を待つなか、組合役員が玄関へ駆け出してきて興奮した手で「勝訴」の垂れ幕を高く掲げると「わーっ」という歓声がわきおこりました。

 全税関労組は国民に奉仕する労組として行政民主化のために活動してきましたが、これを敵視する大蔵・税関当局は一九六五年、第二組合をでっちあげ、なりふりかまわず職制機構を総動員して組合つぶしの不当労働行為を行い、「全税関にいるかぎり役付きにしない」と、昇任・昇給差別などあらゆる攻撃を加えました。

 これに対し全税関労組と組合員は、一九七四年、東京地裁に是正を求めて提訴、一部勝利し高裁でたたかわれていたものです。

 夜、新橋で開かれた勝利報告集会では、原告は口々に、「なによりも、当局が全税関労組を敵視して攻撃し差別したことを高裁が認め、税関当局を断罪したことがうれしい。二十七年のあいだたたかってきた甲斐があった」と全身で喜びを語り、民主的な職場にするためにさらに努力する決意を表明していました。

 この集会では、笹渡義夫農民連事務局長がお祝いのあいさつをしました。


全税関委員長

上山興士さんの談話

 全国の農民連のみなさん。私たちは二十七年余にわたってたたかい続けてきた「税関賃金差別裁判」東京事案で、一月二十六日、一審判決に続き東京高裁で大きな勝利をかちとりました。農民連のみなさんの物心両面にわたる暖かいご支援に心から感謝申し上げます。

 今回の判決は、「税関当局は全税関を嫌悪し差別意志をもって差別を行った」「団結権を侵害し不法行為に該当する」として二百五十万円の支払いを命じました。判決は、個人原告の損害賠償を棄却するなど不当な内容もありますが、国家権力の中枢である財務省(旧大蔵省)の不当労働行為を断罪した歴史的なものです。

 私たちは、この勝利を力に早期解決に全力を挙げるとともに国民の食糧と健康、日本の農業を守るためにたたかいぬく決意です。

(新聞「農民」2001.2.12付)
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2001年2月

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