「農民」記事データベース20010917-508-16

演劇

加藤健一事務所「すべて世は事も無し」

そこはかとなくおかしい芝居


 山口果林、倉野章子、一柳みる、岡まゆみ――と、魅力あふれる女優が勢ぞろい。しかも、六十五歳から七十二歳までの四人の老姉妹という役になるというのです。その舞台とは、加藤健一事務所が上演する「すべて世は事も無し」です。アメリカ中西部の町はずれ、夏の終わりの出来事を描いています。

 物語は四人の老姉妹を中心に三人の夫、四十歳の息子、三十九歳になる息子の婚約者という九人の登場人物で進行していきます。老人といわれる年齢になっても、青春時代となんら変わらぬ悩みを抱えて生きるおとなたち。そして、そのおとなたちに翻弄される息子と婚約者。日常的な会話のなかから笑いと涙をさそいます。映画「エデンの東」や「南太平洋」などのシナリオを手がけたポール・オズボーンの作品。小田島恒志による新しい翻訳です。

 「こんなおいしい舞台を人にやらせることはない」と演出もてがける加藤健一さん。「みんな一流の俳優さんたち。その俳優さんを動かしていく責任感を感じています。でも、みなさん老け役を楽しんでおられるし、役者の化ける楽しみもサービスのひとつですからね。体の衰えとは逆に少女のような心を持っているというおかしさとかなしさの両方がうまく出せれば、と思っています。爆笑コメディーというより、そこはかとなくおかしいという芝居にしたい」と語ります。加藤さん自身も、七十歳の妻・コーラ(倉野章子)の夫・セオとして出演します。特殊メイクで老人に変身するという俳優たちの絶妙なアンサンブルは見ものです。

(鈴木太郎)

*9月27日〜10月14日、東京・下北沢・本多劇場。関西公演=10月18日〜21日・大阪、23日〜24日・神戸、25日〜26日・京都、地方公演=30日・横浜、11月13日名古屋ほか。連絡先=加藤健一事務所 電話03(3557)0789

(新聞「農民」2001.9.17付)
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2001年9月

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