「農民」記事データベース20020401-533-08

「オーベントー」次は中国産「うな重」

販売会社社長の胸算用


 今年のフーデックスでは、「オーベントー」を販売するNREワールドベントー(株)のジェフリー・B・シュナック社長が講演しました。同社は、JR東日本の子会社のカリフォルニアにある現地法人。ご飯の上に肉や魚を載せて「肉魚調整品」だと言いはるサギまがいのやり方で、低関税でカリフォルニア米弁当を日本に輸出しています。

 講演は「成功の鍵」と銘打っていましたが、内容はとてもそれを感じさせるものではありませんでした。第一のつまずきは、農民連食品分析センターが調べて脱法行為を暴露したことで、「JRの子会社が輸入弁当とは何ごとか」という世論が盛り上がったこと。シュナック氏は、ぶ然とした表情で追加関税を払わざるを得なくなったことを明かしました。

 第二のつまずきは、BSEやアメリカ国内で発生した鳥インフルエンザの影響で、主力商品であるビーフやチキンを使った弁当が売れないこと。かわって中国産ウナギを使ったうな重を販売するといいます。

 「中国産より付加価値の高いものを売っていかないと負ける」と、中国の脅威を強調するシュナック氏。高付加価値を標ぼうする一方で中国の低賃金を利用する――それが「成功の鍵」とでも言いたいのでしょうか。そんな弁当は願い下げです。

(新聞「農民」2002.4.1付)
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2002年4月

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