「農民」記事データベース20020415-535-06

産直ボックス丸ごと使って

HAPPY料理

料理研究家 吉田文子さん

関連/何十年作り続けても予想外なことが…


 千葉そうさ郡の房総食料センターより、なんと九種類もの野菜が詰まった産直ボックスが届けられました。そのうえ、ターサイの花芽(トウの部分の野菜)、ガザニアという花苗のポット入り、と、二つのおまけもついて全十一種類。盛りだくさんでびっくりしました。ひとつひとつの野菜ごとに、農家の方が手書きで書いたものを印刷した小さなカードがついています。「ハウス栽培を始めて二十年。毎年一年生。初心を忘れず頑張っています」など、心温まるメッセージに、遠くの生産者の方がぐっと身近に感じられました。感謝していただきます。

〈ボックスが届いた日にすること〉

・白かぶの葉を切り離し、茹でたり、炒めたりして、先に食べる。

 ●一日目

*レタスのベトナム生春巻き風*

*かぶの葉のにんにく炒め*

 ●二日目

*味美菜(あじみな・小松菜とチンゲンサイの交配)の桜海老あえ

 味美菜二五〇gの葉を一枚一枚はずして洗い、一口大に切って塩少々入れて茹でる。
 今が旬の釜上げ生桜海老(干し桜海老でもよい)、ごま油小さじ1、おろししょうが小さじ1/2であえる。
 ごはんに混ぜて食べてもおいしい。

 ●三日目

*白かぶのヒラヒラサラダ*

 かぶ二個はスライサーでごく薄く切り、冷水にさらすとお皿状に反ってくる。水から引き上げ、一枚ずつ手のひらに乗せ、反対の手の親指で、中央を押し、カップ型にする。かぶでできたお皿に、千切りのキュウリ一本分とかぶ千切りを乗せ、カニ、メンタイコ、イクラ、桜海老などを乗せる。食べるとき、ポン酢や好みのドレッシングをかける。酢飯をのせて、一口寿司にしてもよい。

*ターサイの花芽炒め*

 ●四日目

*海老のチリソース炒め・レタス添え*

 ●五日目

*さつま芋のエシャロットバターソース*

 さつま芋は縦に二つに切り、蒸し器で柔らかくなるまで蒸す。
 エシャロット五〇gは小口切りにして(緑の部分まで全部)、バター大さじ2で炒める。しんなりしたら、コンソメスープのもとひとつかみ、牛乳大さじ3、こしょうを入れ、水分を少し飛ばすようにして、加熱する。
 蒸し上がったさつま芋にかける。

 ●六日目

*ねぎの桜えび煮*

 ●七日目

*野菜たっぷり豚汁*

 少しずつ冷蔵庫に残った野菜を使い切ってしまいましょう。


房総食料センター

何十年作り続けても予想外なことが…

 毎週火曜日、センターに次週の野菜の状況が次々と入ってきます。「来週は曇りがちだから、きゅうりは厳しいかな」。生産者からの情報だけでなく、センター職員も畑をまわって育ち具合を見ているのですが、思ったより大きすぎたり、逆に伸びなかったり…。何十年も作りつづけているのに、予想外の展開になることがたびたびです。

 さて、集まった情報をもとにメニュー組みが始まります。根もの、葉ものなどバランスよく入れたいのですが、なかなかうまくいかない。机上の筋書き通りに野菜は育ちません。

 雹(ひょう)や台風、嵐。気まぐれなお天道様(おてんとさま)のせいで、出荷間近の野菜がだめにされることもつらいですが、最近は市況の安さが続き、市場出荷してもダンボール代すら出ないのが切ない。

 でも産直で支えられているからこそ、すぐに結果の出ない土づくりにじっくり取り組める。自分の作った野菜を誰が食べるかはっきりしているから、気も引き締まります。

 冬は葉もの、根もの。夏はナス、ピーマンなど。季節で野菜ボックスの中身ががらりと違うのも、スーパーの野菜売り場とは別の魅力です。「ナスが二カ月も続いてしまう…」と思いながらも、その時どき、畑でいっぱいとれたものを、たっぷり食べていただきたいと、お届けしています。

(房総食料センター 小島鉄雄)

(新聞「農民」2002.4.15付)
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2002年4月

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