「農民」記事データベース20020923-555-08

脱ダム!! 熊本

目的なくしたダムはいらない

第六回川辺川現地調査に参加して

 第六回清流・川辺川現地調査(熊本)が八月三十一日から二日間行われ、約二百四十人が参加しました。川辺川ダム建設予定地や、水没する五木村、ダムの目的である治水、農業利水、発電の現場を視察し、現地の話を聞いてきました。
(青年部副部長 椎名俊英)


『やっぱり不要だと納得』

 相良村にあるダムサイト建設予定地の渓谷では、地盤が不安定なため山が動き、トンネルの壁にヒビが入っていて、そんな場所にダムを造ろうとしています。さらに、ダムの緊急放水で逆に二次災害の危険が高まるという地元の人の話に、やっぱりダムは不要だと納得しました。

 ムダなダム工事許されない

 球磨郡のほぼ中央に位置する広大な高原(たかんばる)台地には、美しい茶畑と水田が広がっていました。農家は、「農地は戦後苦労して開墾した。以前は水不足で収穫までに稲が枯れたこともあった」と話していました。今では、土地に適したお茶などの作物を探求し、日本一の品質を誇るお茶の生産を行っています。

 また台地には、六角水路と呼ばれ、毎秒一トンの水を川辺川上流から引水する、昔ながらの自然に流れる水路があり、約百三十ヘクタールの水田を潤していました。しかし、厳しい農業情勢なので、荒れた農地が何カ所もありました。

 川辺川ダムにかかわる大多数の農家は「川辺川ダムからの農業用水は不要だ」として裁判を起こしています。政官財一体のムダなダム工事を進めるために、農民の苦労を踏みにじることは絶対に許されません。発電も、水没する現在の施設の発電量を補うに過ぎません。このようにダム建設は目的のなくなったものです。

 尺鮎トラストで全国へ直送

 ダム反対には、いろいろな団体が声をあげており、「川辺川を守りたい女性たちの会」では川漁師さんたちと協力して「おいしい鮎を食べて川を守ろう! 尺鮎トラスト運動」をしています。

 今までは、高級料亭でしか味わえない贅沢なものでしたが、尺鮎トラスト運動により全国へ産直できるようになりました。私も交流会でこの鮎を食べましたが、とてもおいしかったです。

 この調査には、若い人が多く参加し、テントの設営などの準備を楽しそうに手伝っていました。また、現地の人から「土地収用委員会に行くたびに推進側のウソが暴露され、行くのが楽しい」という話を聞き、運動が有利になり、展望が広がってきていると感じました。

「尺鮎トラスト事業部」(土日祭休)連絡先
電話0966―33―2377 FAX0966―33―2378

(新聞「農民」2002.9.23付)
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2002年9月

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