「農民」記事データベース20020930-556-05

全国研究交流集会での発言

決めたことをやりぬき税金、直売で組織拡大

鹿児島県農民連 宮地 利雄


 鹿児島県連の組織建設を中心に報告します。

 県内の農家戸数は二年前に十万戸を割り、年々減少しています。農協の大型合併にともない、農家の負債整理が強行され、私の近くにも破産する農家、離農する農家が後を絶ちません。

 農協が営農指導を放棄している状況のもとで、農家は本当に頼るべき組織を求めていると思います。農民連に加盟したある農家は、「農民連という名前がいい。われわれにはぴったりだ」と繰り返し言います。この農家は、私たちと一緒に負債整理の計画をたて、取り組んでいます。

 これまでの延長ではない県連に

 鹿児島県連は、今年一月の県連大会で「これまでの延長線ではない県連にしよう。決めたことはやりぬこう」と意思統一をしました。各地に散在している組合員に方針を届け、経験の交流と普及をし、激変する情勢に機敏に対応する。そのためには、なんとしても専従者が必要、と努力してきました。いまはパートの女性専従者が献身的に事務をこなしています。

 県連の幹部が先頭に立ち、毎週の事務局会議と県連ニュースの発行を一年以上も続けてきました。会長、副会長、書記長、書記次長、パートの専従者が毎週集まります。私が県連事務所に行くにはフェリーに乗り、二時間半かかりますので、毎回参加とはいきませんが、一週間の総括をやり、方針を立て、それをニュースで全組合員に届けています。

 県連は現在、団体加盟を含めて、組合員は約二百五十人。そのうち、県連に分担金を納める組合員は百二十人余です。二年前は二桁でした。新聞「農民」は、手渡し、郵送を含めて三百五十人の読者がいます。

 BSE問題の取り組みは、県連書記長が先頭になって牛のセリ市場に出かけ、旗を立て、ハンドマイクを使い、ビラを配って宣伝しました。そこでまいたビラが農家の手から手に渡り、まったく関係のない地域の農家から「ビラを見た」と電話が来たりしました。革新懇にも働きかけてシンポジウムを開催したところ、これまで私たちの手が届かなかった分野の関係者、県庁幹部らも参加するなど、農民連の存在を大きくアピールすることができました。

 米つぶしを許さないたたかいでは先日、事務局会議の後で、県の農協中央会に申し入れをしました。鹿児島の農協中央会は、政府の米対策は容認できないと、地元の新聞に発表しています。

 二カ所で直売所開設

 また、今年になって県内二カ所で直売店がオープンしました。しかし、国分市を中心とする姶良・伊佐農民連の直売所は、残念ながらだんだん売り上げが減少しています。農民連の中心的な幹部が売り子になっているなかで、出荷者二人を読者にしており、組織建設と結びつけて、どう直売所を運営するかが課題となっています。

 もう一つの直売店は今月、枕崎市にオープンしました。七千枚のチラシを新聞に折り込んだところ、ぼかし肥料で作った無農薬の新米が飛ぶように売れました。これを組織建設にどう結びつけるかは、この集会で学んで帰りたいと思います。

 税金と軽油免税で単組結成

 最近、県北部の出水市で二市四町を守備範囲とする出水農民連が発足しました。今年三月の税金申告と農業用軽油免税の申請の取り組みのなかで、組合員が九人になっています。銀行を定年退職された方に非常勤として事務局をしていただくようお願いしています。軽油免税の申請の取り組みは、その方がどんどんできますし、税金の学習会もしたいと張り切っています。

 大隈半島には、税金や軽油免税で姶良町と大崎町、それに私の住む東串良町に単組があり、それぞれ非常勤ですが、事務局担当が置かれ、組合員も少しずつですが増えています。いま、こうした県内の経験と合わせて、農民連九州ブロック交流集会が刺激になり、先進から大いに学ぼうと、全県下で税金の相談会、学習会を開く方針を出しています。今月初めに農民連常任委員の村尻勝信さんを講師にして役員を中心に税金の学習会を開きました。

 税金の確定申告が変わるなかで、農家も戸惑いをもっており、いまこそ全力で取り組まなければならないと思います。私が県連の経験から思うことは、税金の取り組みにきちんと軸足をおき、軽油免税や産直、直売など、さまざまな農家の要求を実現させるために取り組んでいくことが大事だということです。組織を飛躍させるために頑張ります。

(新聞「農民」2002.9.30付)
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2002年9月

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