演劇

コーラス・シティ「あした天使になあれ」

初演から10年、再演重ねたミュージカル

　ミュージカル集団コーラス・シティは働きながらミュージカルにとりくむ若者たちの集団です。結成から十八年、現在の団員は二十八人、三分の二は女性です。

　「あした天使になあれ」は初演から十年、再演を重ねてきた財産演目です。劇団に集まった看護師たちの体験にもとづき創作されたもので、仕事に恋にほんろうされながらも、ひたむきに生きる若き看護師たちの姿を生きいきと描いています。福山啓子・作、金井信・作曲、原津加沙・振付の舞台は、これまでにもＮＨＫＢＳでの放送、ニューヨーク公演など注目を集めてきました。

　今回は、ミュージカル「はだしのゲン」の演出などで活躍している木島恭の演出です。コーラス・シティとは初めての出会い。ことしの四月からけいこに入り、八月には中国・上海での公演も成功させてきました。そして、東京公演ではダブルキャストで上演するという意欲的なとりくみをみせています。出演は菊地明美、田中広喜、石村淳二ほか。

　劇団員のひとりは「けいこは毎日が新鮮です。これまで上演してきた作品ですが、まったく違った解釈がほどこされて、新しいシティが誕生したようです」といいます。けいこ場では俳優へのこまやかな指示が次ぎつぎととびだし、同じシーンのけいこが繰り返されていました。

　木島恭さんは「アマチュア劇団のよさをもっています。役者の率直さがいいです。これまで、正面を向いてうたってしゃべるという古いリアリズムを直していくことから始めました。そうすることによって現実感がよりリアルにでてきたと思います。医療制度の改悪がすすみ、社会問題になっている現状など、大きなテーマを背景にもっているお芝居です。若いエネルギーがはじける舞台に仕上げたい」と語ります。

　＊10月11日〜13日、東京・江戸川区総合区民ホール（地下鉄都営新宿線船堀駅前）。連絡先＝コーラス・シティ電話03（3376）0957