「農民」記事データベース20021007-557-15

食の安全を文化祭で発表 神奈川学園の中学生たち

国産ブロッコリー買う母の気持ちがわかった

 九月二十一、二十二日に開かれた神奈川学園(横浜市)の文化祭に、「食をめぐる問題を取り上げたい」と農民連を訪ねてきた女子中学生たちの発表を見に行きました。
(佐藤龍雄)


 資料パネルの前で一生懸命説明

 会場の入口には、「あなたが食べているものは大丈夫?」という見出しとともに、原産国の国旗が並んだ大きなハンバーガーのイラストが目を引きます。入ってすぐのところに、「輸入に依存している日本。見た目や形だけで選んでいる私たちの食生活を見直してみませんか」と発表の主旨が書かれていました。

 会場には、「食品の危険度チェック」「輸入レモンと国産レモンの比較」「食品添加物」などの展示が、実物のインスタント食品などとともに並んでいます。「食料自給率」や「世界から流れ込む輸入野菜」をテーマにしたパネルの前で、一生懸命説明している生徒の姿が印象的でした。

 中学生から農民連にメール届く

 この夏、同校の中学二年生の澤田郁(かおる)さんから農民連に届いたメールには「私の父の実家はリンゴ農家ですが、父は家業を継ぎませんでした。農業で食べていけないと考えたからです。…今の日本の現状を見ていると、今後輸入に頼らざるを得なくなるのではないかと不安です」と書かれていました。

 大谷裕子先生は、夏休みの二カ月間を生徒とともに準備に費やし、農民連の事務所にも一緒に来ました。発表にとりくんだ生徒たちの感想は、「私の身近には、添加物だらけの食べ物。もとのおいしさを知らない。本物を知って伝えたい」「国産のブロッコリーを買ってくる母の気持ちを知った」など、どれも実感がこもっています。

 農業や食にたくさん関心もって

 会場の出口には、次の言葉が掲げられていました。

 「国産を食べたいという人が八四%もいます。国産品が全て安全だとは言い切れないけど、身近にある国産の方が多くの情報を得ることができます。私たちが農業や食についてたくさんの関心をもち、知ることで、食に対する不安や不信感を少しずつ消していけるのではないでしょうか」。

 私にとってこの文化祭は秋晴れのようにさわやかなめぐり会いでした。

(新聞「農民」2002.10.7付)
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2002年10月

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