「農民」記事データベース20021021-559-02

小麦を植えてパンを作ったよ

市立開成小学校生徒が食べ比べ

関連/国産小麦使った学校給食


 佐賀市立開成小学校では、総合学習の一環として地場産小麦を使ったパン作りに取り組みました。一昨年の三年生のときにニシノカオリの種をまき、四年生になって収穫し、その小麦を粉にしてもらってパン作り。

 子どもたちは、「自分たちのこだわり」のパンに挑みます。「ドングリを入れちゃおう」「みんなで汗を流したから、鎌の形にしよう」……。麦畑での楽しいイベントを思い出しながらの「お月見パン」もできました。

 担当してきた本村一浩先生のクラスの生徒たちは、「粉の味」にこだわりました。麦の形やハートの形と、形はそれこそ千差万別。生徒たちの思いのままです。味のほうも「自分たちが作ったパンだから、おいしいね」、「粉の味が出ているよ」と、なかなか好評だったとか。

 そんなとき生徒たちは、佐賀市が地場産の小麦を使ったパン作りに取り組んでいることを知ります。「僕たち、私たちと同じ考えだあ。市長さんに自分たちが作ったパンを食べてもらおう」。みんなの意見がまとまって、早速、市長さんに届けました。

 二週間後に、市長さんからお礼が届きます。佐賀産ニシノカオリで作った「給食パン試作第一号」です。大喜びの子どもたちは、市長を囲んで、これまでのパンとの食べ比べ会を開きました。


国産小麦使った学校給食

各地で実現、試作・検討広がる

 埼玉県の学校給食会が埼玉県産小麦(農林61号)一〇〇%のパン給食を始めたのが、二〇〇〇年四月。群馬県も県内産の農林61号一〇〇%のパン給食を、二〇〇一年四月からすべての小中学校で実施しています。それもこれまでのパンにこだわらない、「お焼きの形をイメージした丸型・薄焼きのパン」です。

 昨年度県産一〇%で始めた岐阜県では、来年度は三〇%にすることを目指しています。

 八月には、県内産小麦一〇〇%のパンを作って、試食会をやりました。市町村の要望があれば特殊パンとして、一〇〇%県内産の小麦を使ったパンを製造できる体制をつくっている、といいます。

 秋田県給食会は、県内産ハルイブキ一〇〇%のパン給食を今年度中には始めたいとしています。すでに研修会をやったり、県内産の別の小麦を比率を変えて混入して試作するなどしています。

 京都府では今年度から農林61号一〇%のパン給食を始めました。千葉県では県産小麦一五%、群馬県産一五%で、今年度から実施。佐賀県では、佐賀市を除く市町村で県産のシロガネコムギ二〇%+ハルユタカ、シロガネコムギ二〇%+外麦で、昨年度から実施しています。

 島根県の六日市町、茨城県や同県の総和町では、試作・検討を進めています。

(新聞「農民」2002.10.21付)
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2002年10月

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