「農民」記事データベース20030609-589-02

地域から広く、多彩に

全国食健連が第14回総会開く

運動の成果に確信もって

 「天下分け目の今こそ、食健連の本領を発揮して前進しよう」――国民の食糧と健康を守る運動全国連絡会(食健連)第十四回総会が、五月二十四・二十五の両日、東京で開かれました。


 総会では、「菜の花が咲いたよ」(六月刊行)を執筆した作家の旭爪あかねさんがあいさつ。茨城県西農民センター会長の北嶋誠さんの援農を取材した経緯など農業との関わりを紹介しつつ、「農業は体の健康にも重要だが、心の健康も守り、回復させる力がある」と述べて、さわやかな感動を呼びました。

 続いて食健連事務局長の坂口正明さんが報告し、「ここ数年が将来の食糧・健康・農業のあり方を決める天下の分け目。食品衛生法の改正や地産地消が広がる学校給食など、食健連運動がつくり出してきた成果に大きな確信をもとう。農業の現場では担い手と担い手以外に振り分けるなど、小泉内閣が進める米改革の先取りが始まっている。米改革の本質を緊急に知らせ、あらためて全自治体との訪問・懇談を位置づけ、やりとげよう」と呼びかけました。また重ねて「地域食健連を充実させ、地域に合った、多彩で特色ある楽しい運動を発展させよう」と提案しました。

 真嶋氏が米「改革」で特別報告

 米改革の内容とねらいについて真嶋良孝農民連副会長が特別報告したのにつづいて、討論では、各地からさまざまな報告が相次ぎました。

 ▽新婦人の地場産を学校給食にという取り組みのなかで、高校生の食生活アンケートをとった。四十八校訪問して四十校、三千三百人余からメッセージをもらった。七割もの高校生が作りたてで、安全な給食を食べたいと賛成。高教組や自治体労組とも共同して取り組んでいきたい。(茨城新婦人 武藤さん)

 ▽米改革で、行政自身がよく理解しないで説明しているので、現場では混乱したまま事態が進んでいる。このままでは破綻するという試算を出している。(富山食健連 水越さん)

 ▽県食健連を六月に結成する。準備会で毎回テーマを変えて学習会をしたところ、定時制高校では給食もなくコッペパン一個と牛乳という状況が出されて、教育と食の問題でもちきりに。(宮城農民連 鈴木さん)

 ▽米改革を担わされる農協でも大きな不安が広がっている。全農協労連で提言パンフを作って対話を進めているが、あちこちで共感が広がっている。(全農協労連 国分さん)

 ▽ジュースが大量に輸入されているため、加工用リンゴの価格が二十キログラム百円と大暴落。私たちの再三の要望が実って、県も政府に対してセーフガード発動、原産地表示、価格補てんを要求した。ところが国は原産国表示は“非関税障害”になると言う。このままではリンゴでも減反が始まる。(青森農民連 須藤さん)

 ▽北アルプスの麓の安曇野で、昨年十二月に地域食健連を結成。今後は港見学など食健連らしく楽しく取り組んでいきたい。(長野食健連 鶴見さん)

 ▽職場の民主主義を考えるシンポを昨年十二月に開催。食の安全を守るには労働者が大きな役割を果たすことを痛感したという感想も寄せられた。企業では、人権は守らなくていい、問題は露見しなければいいという攻撃が蔓延していて、労災事故が頻発しているのに操業停止を恐れて労基署に知らせない事態も進んでいる。(明治乳業争議団 久仁さん)

 ▽米と魚という日本の食文化も大変な状況になっている。「骨無し魚」はベトナムや中国で骨を抜き、無洗米の普及率は全体の一割ほど。どちらも簡便さがポイントだが、忙しいなかでもどうやって自給率を高める食生活をしていくか、模索していきたい。(日本の伝統食を考える会 中筋さん)

(新聞「農民」2003.6.9付)
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2003年6月

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