「農民」記事データベース20030623-591-10

旬の味


 友人の死から数カ月がたった。突然の悲報に私はア然とした。それも自殺だという。農業を志し、ともに農業高校に学び、生徒会長まで務めた君は、最愛の妻とともに私の手の届かないところへ行ってしまった。負債の重圧もあったというが、農業が好きで、有機・無農薬農業を実践し、常にまわりの人達を和ませ冗談が大好きだった。後継者夫婦もいて、まわりから見ると順風満帆に見えたのだが▼きっと安心して農業が続けられることを心の中で人一倍願っていたのだろう。お互いに忙しくてなかなか会う機会もつくれなかったが、相談に乗ってやれなかったことが残念だ。同時に、一生懸命に農業をやっているものが死を選ばなければならないような農政は許せない▼農業を大事にしない国は滅ぶというが、それもそのはずだ。自分たちの食べるものさえ外国に依存するのだから、食料をたてに揺さぶられたらひとたまりもない。幸い日本は大多数の国民が国産が良いという。厳しいけれど、こうした声に応えることが、私たちの責務ではないか。

(白)

(新聞「農民」2003.6.23付)
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2003年6月

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