「農民」記事データベース20030630-592-12

旬の味


 新婦人との交流会で参加者全員が輪になり、笠木透作詞の「水田」を歌った。初参加した青年が感想を寄せた。「ここに生まれたのだから/この土で取れたものを食べ/ここで働いて/この土に帰って行くのですもうからないと言われている農業に夢中に取り組んでいる母の姿が思い浮かんで声が出ませんでした」▼彼は、一昨年横浜から福島に戻って農業を始めた。近所のお母さんたちに声をかけて近くのスーパーに野菜の出荷も始めた。「本当に農家が野菜を作れなくなっちゃいますよね。次の世代にこのおかあちゃんの技術を残さないと」という思いから始めたという。「僕に全部頼られちゃうと困るんですよね。おかあちゃん自身が自分でどうしたいとちゃんと言えるような形にしたいんだけど」▼若い感性は、今の農村と農業の未来をちゃんと見ている。彼自身農業で食って行くことはそうたやすいことではないと肌で感じているはずだ。しかし、彼の脳裏に刻まれた農に生きる母の姿は、どんな困難をも踏み越える力を持っていると思う。

(本)

(新聞「農民」2003.6.30付)
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2003年6月

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