「農民」記事データベース20030707-593-16

料理を工夫する“名人”

「お金かけずに知恵出して」

茨城中央農民組合 坂田よてさん


 茨城中央農民組合の坂田よてさん(63)は、料理を工夫する名人。女性部の集まりがあるときは、必ず大きな重箱やタッパーに煮物や漬物をたくさん詰めて持ってきてくれます。

 豆腐もコンニャクも手づくり

 材料の米や小麦、野菜はすべて、自分の田んぼや畑で育てたもの。タケノコやフキ、ワラビなどの山菜も、家の周りで採ったものを塩漬けにして保存し、いつでも料理できるようにしています。

 豆腐、コンニャクなども手作りで、坂田家の食卓はいつも、よてさん自慢のお料理でいっぱい。「私の料理は全然お金がかかんないの。百姓はもうからないからね。ワッハッハ」。豪快に笑うよてさんの姿は、“古きよき”農家の姿そのものです。

 苞(つと)豆腐は、内原町近辺でハレの日に食べる伝統食。ゆでた豆腐をワラで包み、水気を切って冷ましてから煮物にします。たいていの家庭は市販の豆腐を使いますが、よてさんのは豆腐も手作り。

 そんなよてさんですが、実は農家の生まれではなく、嫁いだばかりのころは苦労が多かったといいます。朝早くから大家族の炊事、洗濯、お年寄りの介護をしながら野良仕事。どんなに寒い冬でも、こたつで足を温めたことがなかったそうです。

 苦労話も楽しく聞こえてくる

 そして、「何よりつらかったのは身上をまかせてもらえなくて、お金がなかったことだね」。そこで考えたのが料理の工夫でした。小麦粉にヨモギを混ぜて作ったヨモギうどんは、きれいな緑色。豆腐を作った後のおからもコロッケやハンバーグに使ってムダにしません。よてさんにかかると、苦労話も楽しく聞こえてくるから不思議です。

 農民組合女性部は、今年から毎月一回程度、加工品づくりをしています。みんなで知恵を分けあい、集まっておしゃべりするのが楽しいのです。これまでに豆腐とうどんを作りました。廃業したソバ屋さんからガス台や大型冷蔵庫などをもらってきて設備を整え、次は何をやろうかとワイワイガヤガヤ相談しているところです。

(茨城中央農民組合 川澄 敬子)

(新聞「農民」2003.7.7付)
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2003年7月

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