「農民」記事データベース20030721-595-10

みんなで教え合い学び合う

1株の稲を囲み畦道講習会

山形・庄内 産直センター


 庄内産直センター米部会は、各地域で「畦道講習会」を開催しています。今の時期の稲は、葉が八枚から九枚の最も元気な分けつ期を迎えており、この時期にいかに「すっきりした、稔り多き稲」にするかがポイント。

 「畦道講習会」では、生産者の田んぼを皆でまわり、一株抜いてきて、集落の公民館でそれぞれの草丈や葉齢、茎数、葉の長さ、根っこの長さなどを比べ、自分の稲の成長具合、栄養状態、病害虫の状態などを調べます。そして、「栽培カルテ」(栽培記録)に記入しながら、「あなたの稲は分けつが多すぎて、このままでは倒れる。すぐにMリンPK三十キロを散布し、深水管理にしたほうが良い」などと教え合います。

 六月二十二日に行った朝日村支部の「畦道講習会」では、西東京米研幹事長の武蔵野精米店店主の高橋信一さんも一緒に田んぼを見てまわり、「こんな山間部で一生懸命米作りに励んでいる姿を見て、感動した」と感想を述べていました。

 終了後には、高橋さんが「米屋が売ってみたいお米、消費者が食べてみたいお米」と題して講演。「米屋は、生産者と消費者の橋渡し役。今、小学校五年生に田んぼ作りから収穫までを指導していますが、子どもたちは米作りを通じて、米作りの苦労と食べ物の大切さを学んでいます。生産者の家族の写真や、米作りへの思い、稲の生育状況などの情報を、米屋と消費者は求めています」と話し、生産者を大いに励ましました。

 恒例の「懇親交流会」では、朝二時起きして採ってきた「月山茸」の味噌汁に、野菜いっぱいの「焼肉」を食べながら、夜更けまで農業談義。数年前までは「あんな薄い色で、小さな稲では、米は穫れない」と言っていた周りの農家も、秋のみごとな実りをみて、今は真似するようになってきており、地域でも信頼が高まっていることを誇らしく語り合いました。

 今年、庄内産直センターでは、羽黒町農業委員会長はじめ十四人の新組合員を迎え、これからも市場関係者の枝豆畑視察や、東京の米屋さんの「アイガモ無農薬栽培田」の現地視察などもあり、生産者も一段と「気合」が入っているところです。

(山形・庄内産直センター 佐藤光雄)

(新聞「農民」2003.7.21付)
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2003年7月

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