「農民」記事データベース20030728-596-01

青年部夏の学習交流会in茨城

大いに学び語り食べそして交流

平和 体験 食

 農民連青年部「夏の学習交流会」が、七月十一日から三日間、茨城県霞ケ浦町で開かれ、約六十人が参加しました。満々と水をたたえた霞ケ浦を望みながら、大いに学び、語り、食べ、交流しました。


大好評でした 手作りの郷土食

 深い感銘うけ

 今年は「平和・食・体験」がテーマ。

 いま国会では有事法制が強行採決され、政府はイラクに自衛隊を派遣する法律を成立させようとしています。こんな情勢のなか、一日目は、航空自衛隊の百里基地を見学し、平和と憲法第九条をかかげてたたかっている反戦地主の方々の体験談を聞きました。

 常陸野の真ん中に位置する百里基地は、面積四百二十八万平方メートル、隊員二千人を数え、ファントムなどの戦闘機や偵察機を八十機も配備。実戦機配備では全国一の基地。

 ところが、その基地のど真ん中に反戦地主の未買収の民有地が点在。とくに平和公園となっている一番奥の二区画は、誘導路線上にかかっているため、誘導路が「く」の字に曲がっているという、全国唯一の基地です。

 「十九歳で基地反対闘争に加わってから四十八年間。脅迫も懐柔もありましたが、仲間とともに守ってきました。戦争を放棄した第九条を守り、平和を守る――私がここで頑張るのはその一念です」と飄々(ひょうひょう)と語る反戦地主の川井弘喜さん。青年たちは、みずからの命をかけた反戦地主のたたかいに深い感銘を受けました。

 また平和公園と基地をはさんで反対側には、百里平和農園があり、毎年この田んぼでは、茨城農民連青年部も加わって反対運動に取り組む人々の手で、米作りが行われています。青々と波うつ稲の向こうに迷彩色の戦闘機が止まっていて、反対闘争に長年取り組んできた畜産農家の宮沢昭さんが百里原はかつて酪農地帯だったことを話すと、「もったいねえなぁ。基地が全部牧草地だったら、何頭牛が飼えるんだろう? 基地なんてなんにも生産しないもんなぁ」と怒りの声が沸き起こりました。

 宮沢さんは、終戦まで満蒙少年義勇軍として旧満州(中国東北部)に渡った体験を語り、「いま政府は国民を守るためと言って有事法制をゴリ押ししているが、軍隊は決して国民を守ったりしない」と訴えました。

 危ねぇ薪割り

 二日目は、平和公園で川井さんの指導のもと、手びねりの陶芸を体験。四六時中にぎやかな面々もこの時ばかりは、しばし黙々と取り組みました。個性にあふれたものができあがり、二カ月後、焼き上がって届くのが楽しみです。

 昼食は釜飯炊き。薪割りでは、初体験者が面白がって続々と列をなし、夢中になって斧をふりまわすので、経験者から「オイ、危ねーぞ。見てられねぇ」と“指導”が入る一幕も。おコゲの出来も上々でした。

 農業の守り手

 今年の交流会で大好評だったのが、二日目の夕食です。地元、常陸野農民組合の女性部「のぞみの会」霞ケ浦班のお母さんたち十三人が、テーブルいっぱいに郷土食を手作りしてくれたのです。ここ霞ケ浦周辺はレンコンの大産地で、郷土食にもレンコンがいっぱい。ちらし寿司、レンコンサラダ、レンコンいとこ煮、すばす、レンコンの南蛮漬け、天ぷら、特大コイの唐揚げ、鯉こく、漬物、地ビール…。

 美味・美味・美味のオンパレードに、さすがの呑んべえ青年部員たちも「酒がお腹に入らない…」。「こんなに豊かな郷土食を作れる農民連は、食料と農業の守り手だと思う」という、大感激が会場中を渦巻きました。

 翌日の朝食にはほとんどの郷土料理を食べ尽くし、最後にまとめの集会で全員が一言感想を出し合い、閉会しました。


平和のため自分は何を?

出島琢也(鯉淵学園一年)

 自衛隊と民間人の土地をめぐるたたかい、平和の素晴らしさを実感しました。百里基地だけでなく、世界中の問題を解決し、平和にするためにはどうすればいいのか?自分には何ができるのかと考えさせられました。

 この学習交流会は、私に「何か」を与えてくれたと思います。その「何か」を解き明かすために、これからいろいろな分野に興味・関心をもってがんばりたいと思います。


いろんな農業や生き方みていって

大内智子(茨城・野菜)

 農民連に入って四年目。農業と政治の関係を考えるなんて、これまでなかった。私も、いろいろな人たちの農業や生き方を見ていきたい。

 郷土料理を作ってくれた女性部の人たちを見て、青年部よりずっとパワーがあると尊敬した。一緒に料理を作りたかった。せっかくの郷土料理を、受け継いでいこう!


郷土料理食べ元気もらった

吉田仁美(鯉淵学園二年)

 戦争の話を聞けて、実際に百里平和公園から広〜い基地を見ることができました。いろいろな交流ができて、よかったと思います。生活栄養科なので農業のことはよくわかりませんでしたが、みんな一番に農業が好きなんだなと感じました。

 郷土料理にも感動しました。おなか一杯食べて、元気をもらいました。私は栄養士を目指すので、こんな感じの栄養士もありだな!と思いました。

 何もわからずに参加しましたが、いろいろ体験して、いっぱい食べて、得たものもいっぱいで、楽しい三日間でした。

(新聞「農民」2003.7.28付)
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2003年7月

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