「農民」記事データベース20031222-616-01

農業つぶし・暮らしつぶし・国つぶす

政府・財界と断固たたかうぞ

全国食健連・農民連12・9中央総行動

 「日本の農業と食料を守れ」「財界おしつけの米改革は中止せよ」――十二月九日、抜けるような冬晴れの下、全国食健連・農民連の「12・9食と農を守る中央総行動」が行われ、全国から農家、労働者、消費者など二百人が参加。農水省前の要請行動を皮切りに、食健連初の取り組みとなる日本経団連前での大衆行動や省庁交渉、グリーンウエーブ集結集会を行いました。


農水省前の要請行動や日本経団連前の大衆行動

 農水省前

 農水省前の要請行動では、農民連の佐々木健三会長が「今こそふんばり時。財界押しつけの米つぶしを国民諸階層の力を合わせて押し返そう」とよびかけました。

 また千葉県の稲作農家、宇井正一さんは「今、土地改良費を払えない農家が激増、五十万円しか年金をもらっていないお婆さんから、十五万円も強制収用する事態まで起こっている。断固米つぶしとたたかい続ける」と決意表明しました。

 一行は、日本経団連のビルがある大手町に移動。大手町は商社など大企業が集中する地域。ちょうど昼休みとあって、昼食に出てきた多くのサラリーマンやOLが足を止め、真剣な表情で訴えに聞き入っていました。

 経団連前

 経団連前では、全税関の上山興士さんが「経団連の奥田会長は小泉首相の“農業鎖国”発言を擁護し、日本の農業つぶしを激しく迫っている。財界の農業つぶし、農民いじめは絶対許さない」と力強く口火を切り、秋田県農民連委員長で稲作農家の佐藤長右衛門さんが続きます。「米改革を心の底から怒りをもって糾弾したい。農業と食料をまったく守ろうとしない政府の姿勢が、財界からの押しつけであることは明らか。メキシコ・カンクンでは世界の多くの国がアメリカとEUの横暴を批判して交渉が決裂したというのに、WTO協定を前提にした米改革は、断じて許せない」。

 山形県農協労組書記長の斉藤裕さんは「財界に物申すためにここまで来た。一億二千万人の日本が、一握りの、もうけばかり考える人間に牛耳られていいのか。農業をつぶし、国民の暮らしをつぶし、国をつぶす勢力とは断固たたかう」。

 メキシコとのFTA交渉の渦中にある養豚農家、安西肇さんも怒りをぶつけました。「日本の養豚農家九千戸が存続の危機に立っている。FTAの恩恵を受けるのは、一部の大企業とアメリカの大規模養豚企業だけ。私たちは安全で新鮮なものを作りつづける決意だ」。ビルの谷間にシュプレヒコールが大きく響きわたりました。

 省庁交渉

 この後、農水省、厚労省、文科省、内閣府の省庁交渉にのぞみました。米改革・FTA・価格保障をテーマにした交渉では、農水省は「地域ビジョン作りは“自由な発想で、地域で話し合って”決めてほしい」と連発。「では、やる気のある農家全員を担い手とするビジョンでも認めるのか」と参加者から詰め寄られ「担当でないので答えられない」と逃げる一幕も。また、一部の大手卸が米を買い占め、販売価格が五割も高くなっている現在の米流通について、「需給実勢を反映している。米流通は今は自由」と回答し、国民の主食を守る責任を放棄した態度に終始しました。

 グリーンウェーブ集結集会では、北海道、山形、岩手などが、自治体や単協を訪問した経験を報告。「担い手など決められない」「地域の農業が崩壊してしまう」など、米改革を担わされる自治体や単位農協の苦悩は深刻で、中山間地を中心に多くの賛同署名が寄せられたことが報告されました。

(新聞「農民」2003.12.22付)
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2003年12月

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