「農民」記事データベース20040112-618-08

旬の味


 北海道は昨年、台風、地震、冷害と災害が続き、各地に甚大な被害をもたらした。「災害は忘れた頃にやってくる」というが、これだけ頻発するのは、地球規模での異常が進んでいるということだろうか▼こんな昨年だったが、大変うれしいこともあった。産直センターの直売所に出荷しているわが家のトマトを買った人が、「大変おいしかったので、ぜひ生産者にお礼をしたい」と、カイロ入れを作って届けてくれたという。トマトを買ってもらって、「おいしい」とお礼を言われ、それだけで十分なのに、プレゼントまでしてくれる。生産者にとっては、このうえない喜びだ▼わが家のトマト作りは、販売用としては初挑戦だった。失敗もたくさんあり、「今年はどうしようか」と思っていただけに、このように評価されると「また、今年もがんばって作らなければならないね」との会話が自然にでる。消費者の励ましが、生産意欲をかき立てる何よりの妙薬だ▼食べていただいた方の思いのこもったカイロ入れは、わが家の宝物として大切にしたい。

(白)

(新聞「農民」2004.1.12付)
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2004年1月

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