「農民」記事データベース20050228-673-05

座 談 会

怖い(マクドナルド)企業戦略

もうけのためなら子どもも標的

関連/30日間食べ続けたら…

 農民連は、幼い子どもがいる泉川法子さん(29)、栄養士を目指している鈴木民美さん(20)、食品分析センターの仲前聡さん(25)、千葉県農民連事務局の小林千佳子さん(23)に映画を見てもらい、それぞれの立場から意見を交換しました。


 学校帰りに寄る

 仲前 この映画は、高脂肪食によって自身の健康を害することを「自己責任」で片付けるのではなく、食品産業と国の責任を明らかにしている貴重なドキュメント映画だと思います。ファストフードを食べることによって肝臓や腎臓などが、細胞レベルで壊されるとは…。ふだんの忙しさからたまにマクドナルドを利用することも。食を選ぶ選択肢の幅は、経済的、時間的なゆとりに関係していると思います。

 小林 私は高校生のころ、だいぶマックに行っていましたが、ここ何年も食べていません。学校帰りにマックに寄るのは、当時では習慣化していて、流行みたいなものでした。

 泉川 私も週一回、子どもの習い事の際つい食べてしまいます。ただ、映画でスパーロック監督がどんどん情緒不安定になっていきました。いままで食と心の関係をあまり意識したことがありませんでしたが、食事が心の健康に与える影響の大きさにびっくりしました。日本には季節ごとの食材を使った色とりどりの料理があって、日本食を見直す時期にきていると思います。

 鈴木 日本食や伝統食が健康に良いことはわかりますが、値段が高かったり、手間がかかったりして…。自分が毎日健康を意識して食事することができるかどうか…。

 においに慣れて

 仲前 食事をファストフードに頼るのは、本人の意思に関係なく、忙しすぎる労働環境や大々的な企業戦略によって余儀なくされている一面もあると思います。

 泉川 たしかに、学校に自販機を置いたり、教材に自社のロゴを入れたり、マックやコカ・コーラなど大企業の戦略はひどいです。においまでコントロールしようとする。ご飯が炊けるにおい、魚が焼けるにおいなど、食べ物にはいろいろなにおいがあるのに、子どもがマクドナルドのにおいに慣れてしまうことを考えると怖いです。最近、学校給食の民間委託が問題になっていますが食の安全・安心を考えると子どもには、手間をかけて作った食事をなるべく食べさせたいです。

 鈴木 最近は共働きの家庭が増えていて、食事に手間をかける余裕がなくなってきています。そこにつけ込んで、子どもをターゲットにする大企業の戦略、もうけのために子どもの味覚や感覚までも支配していくことは絶対許せません。大企業があらゆる手段で利益を求めてくるのに対して、これからは生産者と消費者がつながっていくことが重要だと思います。

 健康とはなにか

 小林 新鮮な野菜をふんだんに使った料理を出して、「マックよりもこれを食べてください」と提案できるのが理想的だと思います。千葉県では「食育」という考えが広がってきて、学校のプログラムのなかで食を通じて健康とはなにか学習する機会が増えています。農民連の産直運動も、改めて大事だと感じました。もっと多くの消費者に安全でおいしい野菜を届けたいです。

 仲前 この映画を、多くの人に見てもらいたいです。意識的な食生活を送りづらい世の中で、経済的にも時間的にも、ゆとりのある生活を送れるような政治を実現していきたいと思いました。

(新聞「農民」2005.2.28付)
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2005年2月

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