「農民」記事データベース20050704-690-01

農林水産9条の会 呼びかけた人びと

平和のこと憲法のこと 私にできることやらないと…

東京農工大名誉教授 梶井 功(かじい いそし)さん

 「農林水産九条の会」の呼びかけ人のひとり、東京農工大学名誉教授の梶井功さんに、憲法のこと、平和のこと、そして農業について話を聞きました。


 <プロフィール>

一九二六年新潟県(佐渡)生まれ、七十九歳。東京大学農学部卒業後、鹿児島大学、東京農工大学で教鞭をとり、一九九五年五月〜二〇〇一年四月まで東京農工大学総長。現在も、農業経済や農地問題など執筆・講演などで活躍しています。


9条を変えて自衛隊を軍隊にする必要はない

小泉首相は靖国神社参拝やめるべきです

農地解放などは民主主義国民主権の確立のため

 第二次世界大戦のころは、新潟の高等学校にいましたが、勉強するどころか富山へ勤労奉仕に行っていました。一度、故郷へ帰る途中、空襲をうけて焼け野原になっていた長岡を見て、これはひどいなあと思ったものです。

 終戦後、一九四七年に東京に来て、下宿しながら学生生活を始めました。新潟では食料難などなかったのですが、東京では最初に出てきた料理がトコロテンのようなもので、次に何か出るのかなと思っていたらそれっきりでした。ひどくびっくりさせられたものです。

※  ※

 私はこれまで、あまり政治向きのことを表立ってしたことはないんですが、こと平和のこと、憲法のことについては、自分にできることはやらないといけない。そういう思いで、今回は呼びかけ人に名前を連ねさせてもらいました。

 戦争をじかに体験した七十代、八十代の人は、みんなもうこりごりと思っているんじゃないかな。いま自衛隊があるわけだけど、九条を変えて自衛隊を軍隊にする必要はないでしょう。

※  ※

 韓国や中国の人たちが、小泉首相の靖国参拝を批判しているけど、その気持ちはよくわかります。小泉首相は靖国参拝をやめるべきです。

 農業のことでいうと、戦後の農地解放とか自作農主義の農地法とかも、憲法の民主主義、国民主権を確立するためという目的で行われたものです。ところがいま、新しい「基本計画」が作られ、構造改革特区で認められている農地のリース方式を全国どこでも適用するなど、財界・経団連は企業による農地取得をねらっています。

 いまは農地のリース方式ですが、経団連の立花常務は、これを二、三年検証したら、今度は株式会社の農地取得だ、と明言しています。そんなに農業をやりたいなら、青森のむつ小川原など、企業誘致のために農地や林地をつぶして大規模開発した更地が全国にはたくさん放置されているわけだから、そういう土地を使え、と言いたい。

 しかし、企業はそんな土地じゃもうからないからやらないでしょう。ねらいははっきりしているんです。農業じゃなく、農地なんです。農民連もがんばってください。

(新聞「農民」2005.7.4付)
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2005年7月

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