「農民」記事データベース20050704-690-10

アメリカ青年 福島県を歩く

佐々木会長宅を訪問農家や青年らと交流


“抱えている問題は同じ”

日本の青年と交流続けたい

 先月行われた食健連・農民連のBSEアメリカ視察の際、快く話を聞かせてくれたミネソタ州の農家シーバー・ピーターソンさんの息子、アーロン・ピーターソンさん(23)が六月十五日に訪日。十六〜十七日、福島県を訪れ、佐々木健三会長をはじめ、農家や青年たちと交流を深めました。

 消費者との強い結びつきに驚き

 産直カフェを訪れたアーロンさんは「故郷のミネソタでも野菜の産地直売を行っているが、日本ほど進んでいない」と驚きを隠しません。「アメリカでは、有機・無農薬という言葉を金もうけの道具として利用する企業が増え、ますます消費者と生産者の距離が広がっている」と心配します。

 これを聞いた福島県連の根本敬事務局長が「農民連の産直運動は、金もうけのためではなく、農業を守り、食の安全、人の命を守る運動であり、生産者と消費者を強く結びつけることができる」と強調しました。

 大学卒業したら家業・農家継ぐ

 佐々木会長の自宅を訪ずれたアーロンさん。佐々木さんの妻、智子さんが用意した豆腐やちまき、甘酒など伝統的な日本料理を食べ、日本の食の豊さと深さに感動。また、サクランボや梨などの果樹園を見学し、真剣に話を聞いていました。

 大学で政治経済を専攻し、卒業を間近に控えたアーロンさんは、家業を引き継ぐ決意を固めています。「五千人もいる大学で就農を決めているのは、たぶん僕だけだろう」と言います。

 福島県内で青年たちと交流、意見を交換したなかで、多くのことに共感したアーロンさん。「後継者不足をはじめ、農業の危機はアメリカも日本も一緒。農家は低学歴で教養がないと蔑(べっ)視される傾向がある。食料を生産することがいかに技術を必要とするか、いかに偉大なことか、これから生産者になり、自ら実践して社会に示していきたい」と意気込みます。

 また、アーロンさんは「暖かく迎えてくれた福島の人たちから多くのことを学ぶことができた。共通の問題を抱える日本の農家の青年たちとこれからも交流を続け、ともに学んでいきたい」と語っていました。

(新聞「農民」2005.7.4付)
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2005年7月

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