「農民」記事データベース20050704-690-11

千葉県内にも氾濫

ジャンボタニシ

稲苗に被害広がる


 ジャンボタニシ(和名・スクミリンゴガイ)が、千葉県内でも広がっています。

 ジャンボタニシは、養殖して食用販売しようと中南米や台湾などから日本に持ち込まれたと言われています。ところが、管理の不徹底や養殖事業の失敗などから安易に捨てられ、野生化して異常に繁殖。これまで九州地方を中心に、稲苗、レンコンなどに被害をもたらしてきましたが、近年、関東地方にも広がっています。

 不気味なほどに赤いジャンボタニシの卵の塊が、取水口や畦畔にびっしり取り付き、三〜四センチくらいのジャンボタニシが苗の柔らかい部分を食べています。なかには、湯飲み茶碗ほどの大きなものも。防除や駆除を小まめにしている田んぼと、手がかけられずジャンボタニシの養殖池のようになっている田んぼの稲の生育状況は、歴然としています。

 農民連女性部が政府に対策要請

 先日、農民連女性部で農水省へ要請した時、ジャンボタニシの赤い卵を持っていき、現状を訴えました。担当者は、「千葉にも発生しているのですか。貴重な情報をあり

がとうございます。県の病害虫防除所にも要望を伝えます」とのこと。

 地元の農業改良普及センターや市農政課などにも、これ以上広がらないよう対策を求めました。しかし、いまのところ殺虫剤としてキタジンP粒剤を散布するか、生貝や卵を見つけ次第捕殺することぐらい。

 米価の暴落で泣き、田植え後の低温で生育が遅れ、さらにジャンボタニシの被害…。どんな出来秋を迎えるのか、不安な面持ちで農家は、やっと分けつをはじめた稲に手をかけています。

(千葉・東総農民センター 今井睦子)

(新聞「農民」2005.7.4付)
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2005年7月

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