「農民」記事データベース20050718-692-10

旬の味


 息子は外で働いているが休みの日には決まって農作業を手伝ってくれる。この前の休日、田んぼの追肥から帰った息子がこんなことを言っていた▼「急に足元からカモがパタパタと飛び立ったんだ。でも少し離れたところでじっとして動かない。それで辺りを見回したら畦草の間に巣があって卵が入っていた。僕が離れるとすぐ巣に戻った。七回ぐらい繰り返したかな。必死に卵を守っていたんだね」▼それからしばらくした大雨の後、今度はお父さんがいそいそとカモの様子を見に出かけた。「しっかりとつがいで卵を温めていた」「何日くらいでかえるだろうか」と、家族で話題になる。息子がまたこんなことを言う▼「草が伸びてきているけどヒナになるまで草刈りを待ってあげようよ。僕がやるから」と。親鳥の愛情と命の大切さを感じとった息子の責任ある言動に、私も感動した▼カモも私たちも自由に安心して暮らせる世界をつくりたい。そして、思いっきり作物を作り続けられる未来を。その思いを憲法九条に託す。

(す)

(新聞「農民」2005.7.18付)
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2005年7月

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