「農民」記事データベース20050725-693-04

23都府県1169地点で調査

GMナタネの自生
住宅街、内陸県まで広がる

“汚染を身近に実感できた”

関連/水不足で生育気遣い田植え

 港などにこぼれ落ちた遺伝子組み換え(GM)ナタネの自生が全国で広がっている実態が明らかに―。「遺伝子組み換え食品いらない!キャンペーン」は七月九日、「ストップ! GM汚染 GMナタネ全国自生調査報告集会」を都内で開き、三百人を超える参加者が集まりました。(写真〈写真はありません〉


国・自治体・企業に向け拡大防止対策求めよう

 調査は、三月から五月にかけて、生協組合員・市民らが、全国の港や周辺の幹線道路、油工場、住宅街などを対象に一次検査(試験紙を使ったキット)と二次検査(PCR法)を行いました。

 ナタネ全国自生調査報告集会

 調査地点は、二十三都府県の千百六十九地点。このうち一次検査では、モンサント社の除草剤ラウンドアップに耐性をもつタイプとバイエル社の除草剤バスタに耐性をもつタイプを合わせて、百五十三のサンプルが陽性。二次では、同じく十四のサンプルが陽性でした。二次で陽性が出たのは、大阪、兵庫、福岡、千葉、長野の五府県。特徴として住宅街や内陸県にまで自生が広がっていました。

 農民連も三月から五月まで、茨城、千葉、愛知、三重、兵庫の五地点で自生ナタネを採取し、食品分析センターで検査。百四十八サンプルのうち六十二検体、約四二%から組み換え遺伝子が見つかっていました。

 集会では報告に先立って、モンサント社と裁判でたたかったカナダ人農民、パーシー・シュマイザーさんが「カナダからの再警告」のテーマで講演。「いったんGM作物を導入すると、環境・動物・人体に悪影響を引き起こし、農業がアグリビジネスに支配される」と警鐘を鳴らしました。

 調査に携わった各地の生協の代表が「GM汚染の状況を身近に実感できた」「親子でナタネの採取と調査を行い、GMについて話をする機会をもてた」と報告しました。

 来年は調査の参加者多くしたい

 パネルディスカッションでは、遺伝子組換え食品を考える中部の会の河田昌東氏が三重県四日市市での調査を報告。港や国道沿い、河川敷でのGMナタネ自生の実態をスクリーンで紹介しました。

 筑波大学元教授の生井兵治氏は、西洋ナタネとカラシナのような交配しにくいものでも、ハクサイなどが橋渡し役となって、交配する可能性があるとのべました。

 「キャンペーン」の天笠啓祐代表が、調査を踏まえた今後の課題と運動の方向性を提起。企業には管理強化と非GMへの転換、自治体には条例や指針でのGM栽培規制、国には欧州並みの食品表示を求める必要性を強調し、「来年度も継続的に取り組もう」と呼びかけました。

 東京都小金井市から来た羽山恭子さん(47)=主婦=は「汚染の実態がわかる集会でした。調査結果を周りの人に伝え、来年以降は、一般市民にも調査への参加を広げたい」と話していました。


水不足で生育気遣い田植え

岡山・新婦人県本部

 毎年恒例になっている新日本婦人の会岡山県本部の田植え。今年はたいへん暑いなかでの取り組みになりました。(写真〈写真はありません〉

 六月二十五日、岡山農民連の坪井貞夫書記長の田んぼに集まったのは総勢二十五人。リズム小組の若いお母さんと子どもたちが目立ちます。

 植える苗は、もち米。一畝を済ませると汗びっしょりで、お昼には、炊事係が作ってくれたおいしいカレーライスとサラダを食べながら、にぎやかに交流しました。

 坪井さんが農業や食べものをめぐる情勢を話し、参加者からは、雨が降らず水不足で米の生育を心配する声や「アメリカではBSE問題が国民にどう受け止められているのか」といった質問も。今後は、草取りや稲刈りなどの行事を予定しています。

(中国ブロック編集協力員 三沢市郎=岡山農民連)

(新聞「農民」2005.7.25付)
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2005年7月

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