「農民」記事データベース20051003-702-03

おめでとう 食と農を守る 新聞「農民」700号(2/2)

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  /おめでとう 食と農を守る 新聞「農民」700号(2/2)


消費者運動にとって宝物です

主婦連合会参与 清水鳩子さん

 新聞「農民」七〇〇号おめでとうございます。わが国の食をめぐる環境は誠にひどいものです。とりわけ、小泉圧勝の中で強調された“官から民へ”“民でできることは民で”のスローガンは、私たちがねがう“民”とは本質的に違います。

 消費者が、国民の食と健康をまもる視点から農のあり方を見抜く判断基準は「情報」です。毎週届く「農民」にもられている情報が、消費者運動にとってどれほど貴重なものであるか、はかり知れません。そして情報のひとつひとつが、生産者と志を共有し、がんばっている地域のひとびとの活動に支えられています。

 海外の生産者との連帯、食品分析センターのテスト結果など、「農民」は、私たちの宝物です。


読まないと日本の姿が判らない

評論家・日本福祉大教授 富山和子さん

 七百号おめでとうございます。「農民」を読まないと日本の姿が判らない、いつもそう思って読み、人に勧めています。皆さんの頑張っている姿に勇気を頂きながら、私も、農業を守るための草の根運動、「日本の米カレンダー」を作り続けています。〇六年版が出来たところで、これで十七年目です。よくぞここまで続けられたと思いますが、それも、支えて下さった農民と消費者の皆さんのおかげです。

 このカレンダーは「富山和子の怒りの美学だ」といわれますが、特にこのところ怒りがいっぱいです。「若者よ怒れ、そして諦めるな、判ったような顔をするな」と、私は学生たちにいっています。

 〇六年版にも、「国土を守り、国民のいのちの糧を養う/これほど大切な農業が/アルバイトでしかやっていけない今の日本は/おかしい、政治が間違っている/そう、あなたは思いませんか」と書きました。今年版の十月にもこう書いています。「零細な農林漁業者たちが、生き生きとやっていけるような/そういう国に/この国の政治をどうしても変えたい」と。そのうち食糧危機もやってきます。みなさん、一緒に頑張りましょう。

 なお『日本の風景を読む』(NTT出版)が出たところです。皆さんの存在は皆さんご自身が考えていられる以上に、高く評価されねばならないということ、これを読めばおわかりになるでしょう。


日本にいま必要な食料と「農民」

エッセイスト 増田れい子さん

 新聞「農民」発行以来、このたびめでたく七百号の節目を迎えられると伺って心からおよろこび申し上げます。

 「農民」によると、いまコメ(生産者米価)は水より安く買い叩かれている、とのこと、仰天しました。農作物の作付面積も年々減る一方で水稲は増えているそうですがしかし生産者米価がどんどん下げられていくとなれば、これは悪意に満ちた農政としか言いようがありません。

 新自由主義・市場至上主義の行き着く先は歴史ある農業の死滅、国民の生命無視だろうと思います。ところで私は新聞を五紙、月刊誌も数種読んでますが農業の報道はチョッピリ。「農民」なしには過ごせません。日本にいま必要なのは食料と「農民」なのです。


喜ばしい国際的連携の強化

前農業・農協問題研究所理事長 暉峻衆三さん

 いろいろの困難をのりこえて新聞「農民」がここに創刊から七〇〇号をむかえたことに心から敬意を表し、農民連に結集する方がたのご努力に敬意を表したいと思います。

 トヨタをはじめとする多国籍大企業本位の新自由主義政策がごり押しに進められ、そのもとで日本農業と農民の状態も一段と厳しさを増し、食糧自給率や食の安全性も脅かされています。そんななかで農民連の人びとは食糧主権を掲げ、他の市民層とも連帯しながら、食糧の安全保障の確保のために、困難にめげることなくよく頑張っており、実績もあげているなあと平素から感心しています。とくに、政府や多国籍企業がグローバルに行動し、政策を調整しているのに対して、農民連もまた最近、国際的連携を強めつつあるのは喜ばしいことです。

 こういった諸活動の発展にとって新聞「農民」の果たす役割は重要です。今後とも頑張って下さい。


希望与える確かな運動の情報を

農業・農協問題研究所 宮村光重理事長

 六九九号で、船橋農産物供給センターが念願の直売所をオープンした記事に接しました。農民連ふるさとネットワークの成果でしょうね。こんな嬉しいニュースを週イチで伝えてくれるのが、私にとっての「農民」です。

 七〇〇号に感謝し、お慶び申し上げます。

 総選挙の碌でもない始末にめげないように、少しでも世の中に希望を与える確かな運動の情報を待っております。

 「官から民へ」のフレーズくらい実(まこと)しやかな騙(だまし)討ちはない。私は故事にならい、「真実に似た虚偽(いつわり)」の横行と難じています。

 誠の真実を追う目で、日本とアジアと世界の農民、農村、農業における主体的力量の高まりを報道してほしい。郵政の次が農協だとすれば、農民運動も、農協領域で地歩を確かにしたいものです。


家族農業守り発展へ豊かな展望を

駒沢大学名誉教授 石井啓雄さん

 新聞「農民」七〇〇号、おめでとうございます。

 いくつもの農業関係誌紙が休廃刊してきたなかで、新聞「農民」が地域に根をおいた農民の運動を支える唯一の新聞として、二十年がんばってこられたことにまず敬意を表します。

 「郵政」だけを争点に仕立てて小泉総理が行った総選挙の結果、今後、改憲を含めて日米大企業の利益中心の「改革」政策が次々と仕掛けられてくるでしょう。日本の家族農業への攻撃も強まることでしょう。

 まず米国産牛肉の輸入再開問題です。そして農協の事業分割の問題、WTO・FTA問題もあれば、差別を強める構造政策と株式会社一般の農地取得解禁問題などなど。

 これに対して新聞「農民」が、家族経営による日本農業発展の豊かな展望を提示しつづけていって下さることを期待しています。

(新聞「農民」2005.10.3付)
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2005年10月

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