「農民」記事データベース20051010-703-02

新婦人シンポ 食べて学んで美しく

食卓から日本農業守ろう

産直運動 農民連との交流も強調
多彩にどんどん広げよう

関連/“安全な国産品 自信をもって”


 「日本農業を守らなければ、子どもたちの未来は守れない」――九月二十五日、新日本婦人の会(新婦人)のシンポジウム「日本の農業と産直運動の発展」が千葉・幕張メッセで開かれました(写真上〈写真はありません〉)。同会の「憲法大好き!9条でいこう!花ひらけ要求別小組フェスティバル」の一環として開いたもの。全国各地から約四百人の新婦人会員が参加し、“仲間を増やして食卓から日本農業を守ろう”との気概があふれました。

 パネリストは、佐々木健三・農民連会長、江指隆年・聖徳大学教授、高田公子・新婦人会長の三氏。

 手取りわずか91円

 手作りのおにぎりを持参した佐々木会長は「五百ミリリットルのペットボトルの水が百三十円前後で売られているのに、同量の米の農家手取りは九十一円にしかならない」と発言。「その米で、おにぎりが十個できる」と述べると、エーという驚きの声。

 「米価暴落の原因は、政府が進める“農業の構造改革”だ」と指摘し、「米価や米流通を安定させる責任を放棄したため、大手米卸などが買いたたきを主導している」と告発しました。

 江指氏は、“体の健康”とともに“心の健康”“社会の健康”を守る必要を力説。“心の健康”について「最近、食べ物に対するみずみずしい感性が失われていないか」と問題提起。また、“社会の健康”については「“安いから外国の食料を輸入する”ということでなく、お互いを大事にする生産と消費の関係を築いていこう」と呼びかけました。

 高田・新婦人会長は、「安全でおいしい野菜を食卓に」という願いの実現と日本農業を守るという二つの目的を掲げて発展してきた運動を振り返りつつ、「食べて、学んで、美しく」を合言葉にとりくまれている各地の活動を紹介。「女性は食べることが大好き。産直品を使った、作って食べる楽しい集いは元気の素、どんどん広げよう」と呼びかけました。

 給食、街おこしも

 農民連と新婦人の産直運動は現在、すべての都道府県でとりくまれ、品目も拡大。さらに地場産食材を使った学校給食の実現やシャッター通りをなくす街おこしの運動へと発展しています。討論では、「地場産学校給食の請願が県議会で初めて採択」(茨城)、「パン屋さんに地元の小麦で作ってもらい、教育委員会に届けた」(京都)、「豆腐屋さんに続いて、米屋さん、工務店も仲間に加わり、商店街が活性化している」(東京)と、各地から報告されました。

 高田・新婦人会長は最後に「好きなものを選べない産直ボックスを増やすには、農民連との交流や学習が大切」と強調。「食べることを基軸にして、街おこしなどさまざまな運動を発展させよう」と訴えました。

*   *

 「憲法大好き!9条でいこう!花ひらけ要求別小組フェスティバル」は一日目に、三木睦子さん(三木武夫記念館館長・国連婦人会会長)、チョウ・ヨンスクさん(韓国女性団体連合事務局長)の連帯あいさつに続いて「9条の会」事務局長の小森陽一さんが講演。二日目は、子育て、絵手紙、産直などの小組ごとに分散・交流会を開き、のべ六千人が参加しました。


要求別小組フェスタに産直コーナー

“安全な国産品 自信をもって”

 新婦人が開いた同フェスティバルには、農民連ふるさとネットに加盟する各地の産地が出店。また、産直ボックスの見本も展示されました。

 会場内に設けられた農民連の産直コーナーは、新鮮な野菜や果物、安全・安心、純国産の加工品などを求める女性で、黒山の人だかり(写真下〈写真はありません〉)。横浜市の三山弘美さんと大山奈々子さんは二人とも、小学生と幼稚園の子をもつお母さん。「産直のお米も生落花生もすごくおいしい。子どもたちがよく食べるので、ボックス野菜も足りないくらい」と絶賛します。

 福井・武生市から参加した前田信子さんは「輸入物は安かろう悪かろう。いいものは自信を持って価格をつけて売ってほしいと、農家の人に言いたい」ときっぱり。

 農民連香川産直センターの中野ちひろさんは、県産小麦一〇〇%で作った讃岐うどん百袋を完売。「流通している讃岐うどんの九五%は、オーストラリア産小麦で作られている。そのことを知っている人は『だからこれまで食べたくなかったの』と言っていた。支えてくれる人たちがこんなにいる、やっていることは間違っていないと実感した」と語っていました。

(新聞「農民」2005.10.10付)
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2005年10月

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