「農民」記事データベース20051010-703-07

旬の味


 BSE、コメ改革、FTAなどがあっても総選挙ではどの党も農業だけはふれなかった▼肥料代二円のために笹山一反歩を切り開き、そばを二斗まいて四斗しかとれない苦労をし、子どもを生み、着物を繕い、炊事から近所づきあいまでする農婦を、宮沢賢治はこううたった。「この人たちはいったい/牢獄につながれたたくさんの革命家や/不遇に了へた多くの芸術家/これら近代的な英雄たちに/果たして比肩し得ぬものでございませうか」。「労働を嫌悪する人たち」という詩もある。選挙を振り返って賢治のこの詩が思い出されてならなかった▼効率主義、営利主義、競争主義…からはみ出した本来の「農」が疎外されるところに二十一世紀の未来があるだろうか。BSE、遺伝子組み換え、残留農薬、ニセ表示…これらはみなその結果ではないか。効率主義のもたらすものはそれだけではない。人の心から詩情を奪い、教育をこわし、肉体労働を卑しめる風潮を作った▼賢治の詩は現代への痛烈な批判ではないだろうか

(節)

(新聞「農民」2005.10.10付)
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2005年10月

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