欧州中の旬の味を楽しむ
食と農・秋
ドイツ(中)
品ぞろえ豊富なマルクト(市)
欧州中の旬の味を楽しむ
ドイツの特急列車、ICE(超特急)、IC(特急)、EC(欧州都市間特急)に乗って、都市間を移動していると、のどかな農村・田園風景が旅の疲れをいやしてくれます。列車が通り過ぎるそばを馬が草をはみ、牛が放牧されています。
ドイツも収穫の秋。各都市の広場に、マルクト(市)があちこちで開かれています。ジャガイモ、ブドウ、イチゴ、ラズベリー、トマト、リンゴ…。季節の旬のものから、フルーツジュースなどの加工品まで、新鮮な色とりどりの野菜や果物が所狭しと店頭に並びます。
品目によっては、採れた地方名や農家の名前などが値札に記載されています。店によっては、国内をはじめ、近隣のフランス、イタリアなどからの作物も並べられ、ヨーロッパ中の味を楽しむことができます。
ドイツのマルクトは、朝市や週末だけのものから、年中開かれているものまで多様です。市庁舎、教会など中世をほうふつとさせる建物に囲まれた、ブレーメンのマルクト広場の市。なかでも花の市は、彩りが鮮やかです。
ミュンヘンのヴィクトアーリエン広場のマルクトは、地元の住民をはじめ、観光客を目当てに通年開催。野菜・果物店を出しているエリザベートさんは言います。「実り多い秋は、野菜や果物の色もよく、品ぞろえも豊富です。各地の旬の味覚を楽しんでください」
(つづく)
(新聞「農民」2005.10.31付)
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