「農民」記事データベース20060220-720-07

戦争ができる国をめざす

憲法改悪は絶対許せない(上)

農民連全国委員会での講演 元参院議員・吉岡吉典

 全国委員会(一月十四日)では、元参議院議員(日本共産党)の吉岡吉典さんが、「戦争は違法・犯罪とされている時代に、戦争ができる国をめざす憲法改悪は絶対に許せない」と題して講演しました。その大要を紹介します。


 自民党が憲法草案を発表し、民主党もこれに右ならいして公明党と三党で、九条を変えて日本を再び戦争をやれる国にしよう、イラク戦争のようなアメリカの戦争に日本が参戦できるようにしようとしています。私は、これがいかにばかげたことか、犯罪的なことか、ということを話します。

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 戦争が犯罪で違法とされる時代に

 戦争はかつて合法的なもの、戦争を禁止するいかなる法律もなかった時代があります。しかし今は、戦争は国際法上、犯罪で違法なものです。日本は第二次世界大戦で戦争犯罪国になり、東京裁判で裁かれました。そういう日本を、戦争が違法で犯罪である時代に、もう一度戦争がやれるようにするということは、歴史の発展を無視したまったく許せないことです。

 戦争は違法だと一番はっきり示しているのが、日本国憲法です。だから、世界で“九条を守ろう”という運動が広がっています。オハイオ大学名誉教授のオーバービーさんは、九条に感動してアメリカに「九条を守る会」を作りました。彼は、「日本の憲法はとても美しくできているのに、その精神が侵食されている。戦後、ただの一人も日本軍人によって殺されたり撃たれたりしていない。これはすばらしい記録だ」と述べ、さらに「これを守れるのは日本人だけだ。世界が集まって憲法を守るというわけにはいかないから、日本人にがんばってもらう以外にない」と語っています。

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 憲法改悪の意図は「9条」にしぼって

 この憲法を変えたらどうなるのか。第一に、日本は法律上、戦争ができる国になります。第二に、これによって日本の国内体制もすっかり変わります。九条に規制されて確認されてきた非核三原則や武器輸出三原則、軍事費のGNP比一%未満などの諸原則はすべて撤廃され、「戦争ができる国」への体制準備にむかうことは避けられないということです。

 また、今度の憲法改悪は、できるだけ九条にしぼってやるという意図がはっきりしています。自民党の憲法草案は、同党がこの数年かけて論議してきたことの多くが残されました。そして憲法を改悪しやすくするために、国会の発議に必要な議員数を「三分の二」から「二分の一」に変えようとしています。改悪が非常にできにくかった憲法を変えやすくして、今回積み残したものもどんどんやろうというねらいです。

(つづく)

(新聞「農民」2006.2.20付)
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2006年2月

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