「農民」記事データベース20060227-721-05

BSEファイル


アメリカ――
へたり牛を食肉処理

 へたり牛(歩行困難牛)が食用にまわり、危険部位の除去もいいかげん――こんなアメリカの食肉処理の実態が、農務省監査局(OIG)の報告書で明らかになりました。

 OIGは、同省の制度の監査や不正事件の捜査などを担当する、極めて独立性の高い機関。二月二日に公表したBSE対策に関する報告書によると、監査対象になった十二施設のうち二施設で二十九頭のへたり牛を食肉に処理。このうち二十頭は原因が記載されていませんでした。また、九施設が、牛の年齢を確認した書類がないなど、危険部位除去の態勢が「適当かどうか判断できない」と指摘されました。

 さらに報告書は、アメリカのサーベイランスの問題点についても言及。本来、無作為でなければならないサンプリングがそうなっておらず、結果が信頼できないことを詳細に論じています。

 これはまさに、同国のBSE対策が“ルールなき状態”だということ。それにもかかわらずシーファー駐日大使は、禁輸が続いていることに「忍耐が切れた」などと放言しています。“臭い物身知らず”のたとえそのままの独善的な態度です。

(新聞「農民」2006.2.27付)
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2006年2月

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