「農民」記事データベース20060227-721-13

旬の味


 昔に比べて最近の茶は味が落ちたという嘆きを耳にすることがある。機械化が進み、栽培技術の研究・向上にあわせ、多種多様な肥料や農薬も手に入るのに、どうして味が落ちているのか▼確かに技術の向上は農家の労働を軽減し、大量生産を可能にした。同時に農薬・化学肥料への過剰なまでの依存をうみ出し、地下水汚染などの環境問題を引き起こした。急速な発展の中で自然の一部という認識と土作りの大切さが忘れられている▼「良い百姓は、良い作物を作る前に良い土を作る。お茶を半分、百姓の心を半分、御賞味ください」というのが、私たち無農薬茶の会の信条であり、自らに対する戒めだ。この言葉を、会が発足した三十年前から茶袋に印刷し、消費者に届けている▼冬に落ち葉やたい肥などの有機物で土を作るのは、時間、労力とも骨の折れる仕事だが、基本中の基本だ。大量生産、大量消費、めまぐるしく変化する時代だが、長い歴史の中で培われた日本の農業技術をもう一度考える時ではないだろうか。

(歩)

(新聞「農民」2006.2.27付)
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2006年2月

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