「農民」記事データベース20071001-798-05

世界の米情勢

期末在庫率30年ぶり最低水準
国際価格 長期に高値続き


(図)世界の米 期末在庫の推移 いま世界の米市場は、日本国内とはまったく対照的な動きになっています。アメリカ農務省が九月十三日に発表した世界の米の期末在庫の推移(図)によれば、これまでになく逼迫(ひっぱく)した状況が続いています。

 二〇〇七/〇八年の世界における米生産量(精米ベース)は、四億一八五〇万トンと史上最高が見込まれています。しかし、米消費量は四億二四七〇万トンで生産量を六二〇万トンも上回る見通しです。この不足分を在庫の取り崩しで補うために、期末在庫量は一九八三/八四年以来の最低水準となる七一〇〇万トンに。また、消費量に対する期末在庫率も十六・七%と、一九七六/七七年以来の最低水準となる見通しです。インドネシアに代わって、〇八年にはフィリピンが世界最大の米輸入国となることが予想されており、近隣アジア諸国でも米不足が続いています。

 こうした国際米需給動向を反映して、国際価格の基準とされているタイ米輸出価格(砕米混入率が四・五%の一〇〇%B級)は、九月中旬現在でトン当たり三三五ドルまで上昇、六年前の約二倍となっています。

 アメリカの食糧・農業政策研究所は、今後も期末在庫率は低迷し、国際価格は一時的に低下しても長期的には再び三三〇〜三五〇ドルの高値が続くと予測しています。

 こうした国際市場の動向は、国内で生産制限しながら外国米を輸入している日本の米政策の異常さを浮き彫りにしており、ミニマムアクセスの削減・撤廃、生産費を償える米価支持制度の導入による自給率引き上げが求められます。

(H・Y)

(新聞「農民」2007.10.1付)
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2007年10月

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