「農民」記事データベース20071008-799-06

安心して暮らせる地域社会づくりへ

日本文化連が農協医療・福祉研究会

関連/旬をいただいています


農協が厚生連病院と連携し 社会保障・高齢者福祉の
制度改悪の中 地域福祉・くらしどう守るのか

 日本文化厚生農協連合会は九月十三、十四の両日、東京都内で「第十一回厚生連病院と単協をつなぐ医療・福祉研究会」を開き、全国から七十人の農協医療・福祉関係者が参加しました。(写真〈写真はありません〉

 第一日目は、法政大学の尾木直樹教授による「子どもとお年寄りが安心できる地域づくり」と題した記念講演のあと、二つの実践報告が行われました。

 佐久浅間農協(長野県)による地域福祉事業の報告では、農協組合員家庭の高齢化対策は農協にとっての最重要課題という位置づけで、行政や社会福祉協議会の補完的役割から、農協が地域福祉の中心的担い手となり、厚生連病院とも連携しながら組合の基幹事業にまで発展させた経過が報告されました。

 訪問介護のほか、一日中誰とも話す機会のない独居老人の話し相手になる「傾聴ボランティア活動」や、「福祉タクシー」事業の運営など、地域住民の要望をふまえた農協の福祉事業の展開が、参加者の強い関心を呼びました。

 愛知県厚生連足助病院からは、中山間地域での病院に隣接した特養施設の建設とその運営について報告されました。とくに地域の高齢者対策では、保健・医療・福祉がばらばらでなく、一体的な支えとなる必要があり、自然と共生でき、豊かな文化に包まれた地域づくりに貢献する、地域住民参加による「開かれた病院」の姿がうきぼりにされました。

 二日目は、まず長野県下伊那郡泰阜(やすおか)村の松島貞治村長から「在宅福祉・医療への挑戦」という特別講演が行われました。

 人口二千人、高齢化率三七%という過疎の村で、住み慣れた自宅で最期を迎えたいという願いに応えて在宅福祉・医療に取り組み、在宅死が八〇%になった経過と現状が話されました。最近は、高齢者共同住宅づくりにも挑戦しています。ここでは、広域合併して頼れなくなった農協に代わって、村と医師が主導する地域福祉・医療が大きな役割を果しています。松島村長が引用した「弱い者を支えるのが人間の義務であり、民主主義の精神であり、協同の精神である」「協同組合の精神は、一方的な権威に対する庶民のたたかいである」という故・若月俊一先生の語録が、多くの参加者の胸を打ったようにみえました。

 研究会ではその後、各報告者に研究者を加えてパネル・ディスカッションが行われました。討論では、次々と進められる社会保障・高齢者福祉の制度改悪攻撃のなかで、農村地域住民や農協組合員が、どうやって自らの暮らしを守るための協同を強めるか、すぐれた実践報告の中から何を学びとるか、熱のこもった論議となりました。

(H・Y)


旬をいただいています

旬をいただいています

出産をまじかに控え、毎日野菜。もちろん地元のものをたくさん食べているせいか、体調がとてもいい。

(千葉・小島朋子)

(新聞「農民」2007.10.8付)
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2007年10月

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