「農民」記事データベース20071015-800-03

10・1行動政府交渉

緊急対策の実現早急に

“くず米は米でなく異物だ”

関連/これでは米が作れない 日本から農業が消える


 午後からは農水省にたいして米価対策、厚生労働省にたいしてはBSE問題で交渉を行いました。農水省交渉には、約八十五人が参加。冒頭、白石会長は「四項目の緊急要求実現は、政府がその気になれば法律を変えることなくできる問題だ」と強調。早急に対策をとるよう求めました。

 農水省は「備蓄制度は不測の事態に備えるためで、米価を支えるために備蓄制度を使うことはできない」と否定。農民連は「備蓄が消費者のためというなら、安定した生産が必要。作況九九で過剰米はわずか二十三万トンだ。備蓄は現在六十八万トンで、政府が決めた百万トン備蓄のために、あと三十二万トン買うべきだ。そうすればまちがいなく需給は締まり、過剰感はなくなるはずだ」と指摘しました。

 また農水省は輸入米のえさ米処理をこの間四十万トン実施し、八百億円かかったことを報告。「輸入米の処理には巨額をつぎ込むのに、なぜ国産米の処理に一円も使わないのか」と詰め寄りました。

 さらに国産米が過剰だと言いながら輸入米を主食に回している点を追及。加工用の輸入米さえ主食に回っている事実を指摘し、「消費者のためにもミニマムアクセス(MA)米を扱う業者名を公表せよ」と迫りました。

 ディスカウントストアなどで、くず米を混入して販売している問題について、「農産物検査法では一・七ミリのふるい目を通過したものは『米穀』でなく『異物』である。農水省はどう指導・監督するのか」との指摘にたいして農水省は答弁不能に。MA米の扱い業者の公表、「くず米」の問題については後日回答すると約束しました。

 国会議員を訪ね農水委員に要請

 交渉後、参加者は国会議員要請を行い、参議院の農林水産委員を訪ね、要請書を手渡しました。

決起集会 “米価下落に不安です” と米屋も発言

 最後に参院議員会館で決起集会。日本共産党の紙智子参院議員があいさつを行い、「農民連の四項目の緊急要求は時節にかなったもの。国会で追及したい」と激励しました。

 今回の行動には米屋さんも参加。東京都台東区の米屋、砂金健一さんは、米屋のなかでも「米価がどこまで下がるのか」「くず米も原因の一つ。何とかしないと」と不安が広がっていることを紹介し、四つの緊急要求について「さすが農民連」と賛意を表明しました。

 さらに「農水省は『米の価格は需給で決まる』と言うが『それなら輸入するな』と言いたい」と批判。「古米処理に税金を使えば、消費者の理解が得られないと言うなら、古い戦闘機や戦車を使わなかったといって、国民が文句を言っているのか」と疑問を投げかけました。

 「何か言わなきゃという思いで、稲刈りを中止して参加した」という福島の佐藤常子さんは「農協から前渡金三千円をもらっているが、税金や土地改良区の経費などを差し引くと残らない」と訴え、「帰ってから今日の行動を報告し、『みんなも立ち上がれ』としりをたたこうと思っています」とのべ、大きな拍手を浴びました。


《農民連の緊急対策》

 (1)備蓄米の買い入れにあたって、政府自身が決めた百万トン水準に見合う買い入れを確実に実施すること。また、備蓄米は緊急時以外は放出せず、役割を終えた備蓄米は主食以外に振り向けること(2)輸入米を主食用として販売することを中止すること(3)在庫が積み上がっているミニマムアクセス(MA)米を飼料用に振り向けることや海外援助などによって在庫を一掃すること(4)くず米を混入して主食用米として安値で販売することを規制すること

(新聞「農民」2007.10.15付)
ライン

2007年10月

HOME WTO トピックス&特集 産直・畜産・加工品 農業技術研究
リンク BBS 農民連紹介 新聞「農民」 農とパソコン

農民運動全国連合会(略称:農民連)
〒171-0022
東京都豊島区南池袋2-23-2
池袋パークサイドビル4階
TEL (03)3590-6759

本サイト掲載の記事、写真等の無断転載を禁じます。
Copyright(c)1998-2007, 農民運動全国連合会