「農民」記事データベース20071015-800-08

北海道美唄市 草刈り共同作業

農事組合法人や農家が拒否

やむなく 地域協議会役員が“出動”

関連/農協と農政連が総決起大会


 早朝六時、静けさを切り裂くように草刈り機のエンジンが鳴り響きました。最近めっきり少なくなった用水路と農道の草刈りの共同作業です。(写真〈写真はありません〉

 ここは北海道空知管内美唄市の水田。今年から始まった農地・水・環境保全向上対策の共同作業の一コマです。この地域の協議会は、土地改良区の水系に沿って作られ、戸数三十戸、百六十ヘクタールの農地に対応しています。

 共同作業をしているところは、運輸会社を経営する社長が立ち上げた農事組合法人の農地で、小麦が作付けされています。今年になって二回目の作業ですが、農事組合法人からは共同作業への出役を断られ、農家からは「どうして共同作業に出もしないところの農地の草刈りを、われわれがやらなければならないのか」との声もあり、やむを得ず協議会の役員が対応しています。

 農事組合法人の社長にも、言い分があります。「社員に賃金を払って共同作業に出すほどのメリットがない」というもので、会社の経営という尺度からだけとらえれば、その通りでしょう。

 さまざまな矛盾を抱えながら、農村で取り組まれている農地・水・環境保全対策ですが、農水省が期待する法人の参入が農業の守り手ではなく、逆に地域で長年にわたり農地や環境を守ってきた集落を中心とした共同の取り組みこそが、農地や環境の真の守り手であることをいっそう際立たせることになっています。

(北海道農民連 白石淳一)


福岡・柳川

農協と農政連が総決起大会

農協開催全国で初 “収入減で生産意欲減退”

 福岡県柳川市の柳川農業協同組合と農政連柳川支部は九月三十日、「品目横断対策の見直しを求める総決起大会」をひらき、千人を超える農民、農業関係者が参加しました。柳川市長らにあてた請願書では、「今年産の麦は例年にない豊作となり、収入増加の期待があったものの、緑ゲタの割合が多いため収量・品質に見合う収入となりません。それに収量に応じてカントリーエレベーターの経費が増加するため、収益を圧縮する結果となり、生産意欲も減退」と指摘しています。

 農協段階で、品目横断対策の見直しを求める大会は、全国ではじめて。「これでは、農業は続けられない」との悲痛な声が出されました。

(新聞「農民」2007.10.15付)
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2007年10月

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