「農民」記事データベース20071015-800-09

滋賀・長浜

品目横断対策 抜本的な見直しを

安い麦代金 数十万円持ち出しだ


麦づくりでも 矛盾噴き出す

 「麦代金の精算書が届いたが、ビックリした。数十万円の持ち出しだ」―品目横断対策で昨年、秋まき麦を栽培した滋賀県長浜市の「担い手」(ある集落組織)は、あまりの安さと入金の遅れにショックを受けています。  八月の小麦販売代金は、一俵二千円余。そこから手数料などの出荷経費を差し引くと、一俵あたりわずか九百円にしかなりません。さらにカントリー利用料千五百円を差し引くと、マイナス六百円です。

 品目横断対策により十二月には、過去三年の生産実績に応じて国から一定額の助成金(緑ゲタ)が交付されます。また、毎年の生産量・品質に基づく支払い(黄ゲタ)は、一俵約二千円の予定です。

 一方、小麦十アールあたりの生産費(たね代や肥料、農薬代、燃料費、人件費など)は、約三万円。長浜市では(表)のとおり、品目横断対策の助成金を入れても十アールあたり六千四百円のマイナスです。

(表)
(単位・円)
麦の販売代金 900円×4俵
3,600
緑ゲタ(反当たり)
18,000
黄ゲタ  2,000円×4俵
8,000
    収入計(/反)
29,600
カントリー利用料1,500円×4俵
6,000
生産費(反当たり)
30,000
支出計(/反)
36,000
   差し引き(反当たり赤字)
−6,400

 滋賀県農民連会長で長浜市農業委員でもある北村富生さんは「品目横断対策は、麦づくりでも矛盾が噴き出ています。生産費を償えない収入で、今年の秋まき麦をやめる集落組織も出ています。抜本的な見直しを求めたい」と話しています。

(新聞「農民」2007.10.15付)
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2007年10月

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