「農民」記事データベース20080407-823-11

旬の味


 種もみの塩水選も終わり、今年も種まきの節、到来というわけだが、百姓の顔はなんとなく暗い▼今年の米価はどうなるのだろう。「米作りすぎはもったいない。資源のムダ」だという役人に、この思いがわかるはずもなく悔しい。しかし、いつもどおり米作りの準備を進める▼仲間の一人が病に倒れ、今年は作れないと言う。引き受け手もいない。仲間で議論が起こった。「全部減反して補助金もらったらいい」というやつ。「農地の集積組合に預けたらどうだ」というやつ。「ダメだ、ダメだ。それでは農民連の恥だ。上のやつらの思うツボだべ」―これが結論になった▼肥やしをふる、代をかく、田植えをする、雑草をぬく、稲を刈る―百姓の使命と誇りを胸に秘め、みんなで分担して待っていてくれる人たちに米を届けよう。「われら農民連が地域の担い手にならなければ」の思いが一つになって、やっと晴々とした気持ちで酒を酌み交わした。仲間たちはいま、桃の摘らいで忙しい。もうすぐ、桃の花盛りだ。

(八)

(新聞「農民」2008.4.7付)
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2008年4月

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