「農民」記事データベース20080414-824-03

能登半島地震から1年

復興はこれからが本番

志賀原発が改善されず運転再開 仮設住宅に今も579人

関連/食と農業は危機的状況、今こそ農協は役割発揮を


 石川県輪島市沖を震源に、死者一人、負傷者三百三十八人を出した能登半島地震から三月二十五日で丸一年を迎えました。この日、「能登半島地震の一年を考える集会」が金沢市で開かれ、各分野から報告がありました。主催は、農民連も参加する石川災対連(災害被災者支援と災害対策改善を求める石川県連絡会)。

 石川災対連の長曽輝夫さんは、阪神淡路、新潟中越大震災では「住宅本体は対象外」だった被災者生活再建支援法が、全国的な運動で改正され、前倒しで「住宅本体も対象にする」「所得制限はなくす」ということが実現したことは、大きな成果と報告。新潟災対連の宍戸末雄さんは、二度にわたる震災から、使い勝手の悪い支援制度を改善させてきた具体的な経験と課題について、金沢大学院生の井口克郎さんは、現地で五回にわたる聞き取り調査を通じて、「ぜいたくは言えない」と困難や悩みを一人で抱え込む被災者が多いようすを報告しました。また、原発センターの児玉一八さんは、昨年の地震では志賀原発の耐震基準を大幅に超えていたにもかかわらず、何ら改善されないまま運転再開したことは重大な問題と、指摘しました。

 いまも仮設住宅に二百五十一世帯、五百七十九人が暮らしています。住宅や商店を新築した人も十五年以上かけて返済をしなければなりません。過疎と高齢化が進む能登地方をおそった地震は、さらに大きな荷物を住民に負わせることになりました。被災者の要求をまとめ改善を求めていくことや、農家と連携していくことが重要になっていると痛感しました。

(石川県農民連 西忠恭)


食と農業は危機的状況、
今こそ農協は役割発揮を

岩手で県民総決起集会

 岩手県農民連を含む六団体が実行委員会をつくって、三月二十九日に開催された「守れ食の安全と地域農業! 今こそ農協の役割発揮を! 県民総決起集会」には、全県から二百五十人が参加。デモ行進には軽トラが七台参加し、牛パジャマや色とりどりのノボリ旗、横断幕など、市民の注目を集めました。遠野農民組合から十五人が参加。ムシロ旗も持参し「こういう行動は久々だ」と、大きな声をあげて行進していました。(写真〈写真はありません〉

 農民連参与の山本博史さん(東洋大学講師)が、「地域農業を守る展望と農協の役割」と題して講演。輸入野放しのもとで減反の強化・農家の選別に走っている混迷した農政の問題点を指摘。あわせて農協を解体して食い物にしようという財界の意図を明らかにし、「食が危機的な状況になっている今こそ、地域の協同が求められている」と呼びかけました。また、上から押し付けの「農協改革」に立ち向かうアピールを採択しました。

 リレートークでは、「転作にリンドウをやりながらがんばっているが、今回の農協合併で負債整理の対象になって苦労している。農業で生活できる世の中にしたい」(軽米町の生産者、泉山淳子さん)、「激しいリストラの中でも地域農業を守っていこうと、農協労働者は努力をしている。押し付けの改革は許されない」(岩手県農協労組書記長の舘野豊さん)、「安全・安心なものを食べたいというのがみんなの願い。ところが、農協も農業つぶしでどんどん輸入していては、いざというときに食べるものがなくなってしまうのではないかと心配」(いわて生協常務理事の内澤祥子さん)など、それぞれ訴えました。

(岩手県農民連 岡田現三)

(新聞「農民」2008.4.14付)
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2008年4月

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