「農民」記事データベース20090302-866-08

第11回大豆畑トラスト運動全国交流集会

食糧危機を加速するGM食品

“在来大豆作り食べる”が重要

関連/毎回楽しみにしています


 各地から“食と農のまちづくり”で報告

 市民が生産者とともに遺伝子組み換え(GM)でない国産の大豆を作り、自給率を上げていこうという大豆畑トラスト運動の11回目の全国交流集会が2月12日、都内で開かれ、運動に取り組む各地の生産者や消費者が集いました。

 昨年は全国36地区で取り組まれたトラスト運動。生産者も消費者も高齢化するなか、地域で在来大豆を作り、食べるという運動の意義がますます大きくなっています。

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「年々、トラストへの参加者が増えています」と報告する、みのう農民組合の金子徳子さん

 主催した遺伝子組み換え食品いらない!キャンペーン代表の天笠啓祐さんは、「遺伝子組み換え食品が加速する食糧危機・食の不安」のテーマで報告。

 天笠さんは、アメリカ、カナダ、ブラジルなどを中心にGM作物が栽培され、日本は世界最大の輸入国になっている一方、輸入作物は、トウモロコシ、大豆、ナタネ、綿だけで、種類も除草剤・殺虫剤を散布しても枯れないものに限られている現状を述べました。

 さらに「GM作物が生態系破壊、食の安全への脅威、多国籍企業による種子支配をもたらし、食糧危機拡大の原因の一つになっている」と警鐘を鳴らしました。

 「食と農のまちづくり」と題して報告したのは、出版社コモンズ代表でジャーナリストの大江正章さん。食と農のまちづくり条例を制定し、地産地消を進め、食農教育を推進する愛媛県今治市の事例や、定年後のサラリーマンの趣味を通したゆるやかなつながりを追求する農縁コミュニティーなどを実践する東京都練馬区の事例を紹介。

 各産地からの報告では、収穫した大豆で町の豆腐屋さんに豆腐を作ってもらうなど、町おこしに取り組んでいる県南筑波農産センター(茨城)の小林恭子さんが報告。こうじ、大豆、塩を1セットにして消費者に届ける「手作りみそ」が大盛況だと語りました。

 えだまめ祭り、収穫祭など消費者との交流に力を入れている農民連にいがた県央センター・栄町大豆畑トラストの味岡久美子さんは「娘が孫を連れて、みそ作りに参加してくれた」と喜びを語り、「みそ作りを通じて、生産者と消費者をつなげていきたい」と述べました。

画像 多くのマスコミにも取り上げられ、運動の規模も大きくなっている、みのう農民組合(福岡)の金子徳子さんは、若い人から「就農したい」「農民組合で仕事がしたい」などの声が寄せられ、「若い人の力を取り入れて運動をさらに発展させたい」と決意を語りました。

 集会に先立ち、秀明自然農法ネットワークのみなさんが作った大豆の手作り料理を味わい、種類が豊富な大豆メニューに参加者は舌鼓を打っていました。


毎回楽しみにしています

東京・主婦会館前で 産直市
旬の野菜・加工品・ひょう害リンゴ販売

 農民連ふるさとネットワークは2月9、10の両日、東京都千代田区の主婦会館前で、主婦連合会の協力のもと産直市を開き、各産地からの旬の産直野菜や加工品などを販売しました。

 主婦連合会副会長の和田正江さんは「毎回楽しみにしています。食料自給率が低い下で、作った人の顔が見える農産物は大事ですね。料理の仕方など生産者と交流できる場にもなっています」と語り、野菜を買い求めていました。

 青森県のふるさと津軽産直センターの石村孝憲さんは、ひょう害を受けたリンゴとジュースを販売。「処分せずに、ジュースや酢に加工して販売することが、生産者を励ますことにつながります」と話し、客に被災地の状況を伝えながら救援を訴えました。

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被害りんごを訴えるふるさと津軽産直センターの石村孝憲さん(中央)

 さいたま市緑区で多品目の野菜を作る浅子紀子さんは、黒米ごはん、京イモの試食を準備して参加。ていねいに料理方法などを説明しながら、「都市近郊の農業で、競争も激しく大変ですが、消費者との交流が何よりの力です」と話していました。

 購入した人から「鮮度がいい」「もっと定期的にやってほしい」と好評でした。

(新聞「農民」2009.3.2付)
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2009年3月

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