農のこころ丸山美沙夫
種袋振ればあしたが膨らんで 館 百合子 俳誌『狼(ろう)(RO)』から。籾種以外の穀物、野菜、草花などを「種物」と言い、この句の「種袋」も同じものを言う春の季語である。蒔く日を前にした思いが、「あしたが膨らんで」に、しっかりと込められている農のこころを感じる。種を蒔き育てる意欲でもあろう。きびしい時代の農業、それに立ち向かう姿とも。
(新聞「農民」2009.3.16付)
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[2009年3月]
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