「農民」記事データベース20090316-868-04

仕事ほしい 健康心配だ

関連/兼業農家の直接雇用の申告をよびかけ


東京都内3カ所で街頭相談

3時間で76人 深刻な訴え次々

 年度末を迎え、雇用と営業の危機が差し迫った問題となっています。無法な派遣切りが横行し、3月末までに12万5000人が職を失い(厚生労働省)、製造業だけでも40万人が解雇される(業界団体)と言われ、深刻の度を増しています。

 茨城県利根町では、キヤノン取手工場で3年の契約社員だった27歳の青年(農民連会員の息子さん)が、2月27日付で雇用ストップ。契約満了期間をあと1カ月残していました。時給1300円(ボーナスなし)で不安定な労働を強いられ、正社員になるにも、特別な技能と、合格率が極端に低い試験を受けなければなりませんでした。

 職場では、契約社員が7割を占め、派遣社員はいなくなりました。青年は現在、家業の農業を手伝いながら「安定した職業につきたい」と求職中です。

 国民大運動実行委員会が奮闘

 「軍事費を削って、くらしと福祉・教育の充実を」国民大運動実行委員会は2月28日、都内の新宿、渋谷、池袋の街頭で労働、健康、営業問題などの街頭相談を行いました。労働組合役員、弁護士、医師らが相談に乗り、総勢180人のボランティアも宣伝や相談、炊き出しなどに奮闘しました。3時間で76人が相談に訪れました。池袋駅頭では、農民連も参加し、用意されたおにぎりと豚汁を配布しました。

 相談に訪れた23歳の男性は、ようやく愛知県で見つけたトヨタ関連の職場を突然解雇され、自転車で東京に来ました。所持金は4000円。翌週にハローワークに行き、生活保護を申請して一時金が10万円程度出ることになりました。

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労組役員、弁護士、医師、看護師らが相談にのりました(池袋駅東口)

 12年前から池袋駅周辺で野宿をしている男性は、とても50歳には見えないほどやつれていました。炊き出しを食べた後、胸が痛いと訴え、医師と看護師が診察。タクシーで病院に向かい、翌週には生活保護申請を行いました。


農民連

兼業農家の直接雇用の申告をよびかけ

 農民連は、兼業農家の会員の雇用を守るために、都道府県労働局への直接雇用の申告運動を呼びかけています。派遣労働者の解雇・雇い止めのなかには、兼業農家も多数含まれており、兼業が主の農業を直撃し、農村経済を揺るがす大問題になっています。

 労働者の大量解雇は、不況の日本経済をさらに悪化させ、農産物価格の買いたたきの口実にされるおそれがあります。

 農民連は、派遣切りにあった農家を対象に、都道府県・地域労連などと相談し、労働局に直接雇用を申告する運動を全国で進めています。

(新聞「農民」2009.3.16付)
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2009年3月

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