「農民」記事データベース20101108-948-01

TPP(環太平洋連携協定)に参加すれば
日本農業と地域経済は壊滅

米は国産わずか10%に
乳製品・牛肉は大打撃

 政府は10月27日、環太平洋連携協定(TPP)に参加した場合の影響について、内閣府・農水省・経済産業省の各試算を公表しました。農水省の試算は表のとおりで、日本農業と地域経済が崩壊することは必至です。米は90%が外国産に置き換わり、わずか10%しか残らず、小麦や砂糖、バターなどの乳製品、3等級以下の牛肉は壊滅(自給率、農業生産額も減少など)します。

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 TPP(環太平洋連携協定)

 アジア太平洋地域を中心とした経済連携協定。現在までに、アメリカやオーストラリア、ニュージーランドなど9カ国で交渉を進めています。この連携協定は、例外品目を認めず関税撤廃を原則にしており、これまでのEPA(経済連携協定)・FTA(自由貿易協定)よりもはるかに強烈なもの。しかも、TPPには中国も関心を示しており、対日農産物輸出国の“4強”相手に完全自由化を実施することになります。


消費者・労働者と連携
大きな反対運動を

 菅首相は、横浜市で開催されるAPEC(アジア太平洋経済協力会議)首脳会議(11月13〜14日)で日本が議長国を務めることから、これを機に6月に閣議決定した「新成長戦略」で提唱した自由化路線を一気に加速させようとしています。しかし、国民の圧倒的多数が願っている食料自給率の向上とTPP交渉への参加は、絶対に両立しません。

 農民連、全国食健連、食糧・農業と国民の健康を守る神奈川会議は11月14日、横浜市でAPEC首脳会議に対抗して市民行動(街頭アピール行動と経済評論家・内藤克人さんの講演「自由化は経済と国民の暮らしを脅かす」)を行います。農民だけでなく消費者、労働者など各層と連携して、TPPへの交渉参加に断固反対する大きなうねりをつくっていきましょう。

 北海道の農業と地域経済つぶれる

  北海道農民連の工藤孝一さん(小清水町)の話

 今年は作ったものがすべて不作で、この年末をどうするかとショックを受けている。それに追い打ちをかけるようなTPP交渉参加問題だ。来年度から始まる戸別所得補償の畑作物対策には、販売価格が下落したときの対策がない。TPPで関税が撤廃されたら、小麦や大豆の価格がさらに下落し、やっていけなくなる。民主党政権は、北海道の農業と地域経済をつぶす気か。

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(新聞「農民」2010.11.8付)
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2010年11月

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