「農民」記事データベース20101108-948-03

米価暴落・等級悪化で大幅減収

再生産できる米価対策を

東北農団連が農政局に要請

関連/事務所など全焼の利根沼田農民連(群馬)一刻も早く再建めざす


画像 東北6県の農民連で構成する東北農団連(東北農業農民団体連絡協議会)は10月14日、農水省東北農政局に対し、16人が参加して米価対策を求めて要請しました。要請では、(1)再生産できる水準の米価を実現するために備蓄米の買い入れ、(2)米戸別所得補償モデル対策の基本部分の確実な年内支払いと、変動部分を下落水準に見合ったものにすることなどを求めました。

 東北農政局からは、川名健雄企画調整室長はじめ、消費流通課長や農産課長らが対応しました。米価下落に対応した変動部分の交付を行うかどうかについて、農政局側は「想定した過去最低水準よりも下落することはないと思うので、可能だと思う」と答えました。米価下落の水準についての認識をただしたところ、「9月27日の相対取引価格が平均で前年より約1000円下落している」と回答。暴落という認識がないことに、怒りの声があがりました。

 一方、要請団からは「来年の計画がたてられない。米づくりをやめるしかない」という深刻な実態が出されました。特に、異常気象による等級悪化の大量発生をうけて、「大幅な減収が見込まれており、変動部分は等級落ちによる収入減を補てんするものにしてほしい」と要請しました。しかし農政局からは後日、「制度設計上は、2等・3等による等級落ちは考慮されていない」との回答がありました。

(岩手県農民連 岡田現三)


事務所など全焼の利根沼田農民連(群馬)
一刻も早く再建めざす

 利根沼田農民連(群馬県)の糸井河原直売所と隣接する農民連事務所が、10月13日に全焼しました。

 現地では、一刻も早い再開に向けた取り組みが始まっています。会長の野口意志雄さんから手記が届きました。

 野口意志雄会長から手記

 火災の最中、「もうダメだ、直売所は終わりだ!」と泣き崩れる会員、ぼう然と見守る会員。そんななか、私は消防団や隣保班への対応や炊き出しなど、さまざまなことに追われながら、「意地でも絶対再建するぞ!」と決意し、「大丈夫だ。全国の、そして地元の仲間がかならず応援してくれる」という確信がありました。さっそく、3000人もの人出でにぎわった「くらしと健康まつり」では、本部テントに募金箱が置かれ、ほかの団体の人が会場を回って募金を訴えてくれました。この様子に感動し、絶句した会員もいました。また農民連本部とふるさとネットワークを代表して、ふるさとネットワークの森谷精事務局長が見舞いと激励に駆けつけてくれました。

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野口会長ら現地の会員に義援金を渡す森谷事務局長(右端)

 これから確定申告に向けた学習会や記帳会をする会議室もなく、各公民館などを渡り歩くしかありません。直売部に参加していない会員も多いのですが、「直売所を先行して再建してもいい」というありがたい合意も得ることができました。この出来事から、なお一層の団結が生まれると確信しています。焼け残った「九条花だん」のためにも、一日も早く再建したいと決意をあらたにしています。

 糸井河原直売所は、みなさんのご支援で、パイプハウスの仮店舗ですが、10月30日に営業を再開することができました。次は、農民連事務所の再建をめざします。

 今後とも、ご支援をよろしくお願いします

(新聞「農民」2010.11.8付)
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2010年11月

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