「農民」記事データベース20101129-951-09

秋田・八郎潟町高岡地区

耕作放棄地で給食用野菜栽培

17戸の農家輝いています


画像 秋田県八郎潟町は、人口6800人、世帯数2500のうち、約3分の1が高齢者で、合併しなかった小さな町です。

 この町の高岡地区には2つの集落がありますが、増える一方の耕作放棄地に花や野菜を育てようと、2年前に「高岡フラワーベジタブル」という会が発足しました。会長は、農民連会員の北嶋盛次さん(66)です。会の活動が評価されて、県の元気村補助事業の対象になり、また秋田市にある国際教養大学の学生さんたちが応援隊として手伝ってくれています。

 今年3月、学校給食に地元の食材がどれくらい活用されているか、市町村別にデータが公表されました。そうしたらなんと、八郎潟町は県内で最下位でした。町の教育委員会に問いただすと、「高齢化が進み、学校給食に食材を提供することは無理と判断した。しかし、どこかやってくれるグループがあれば」という回答でした。

 そこで、高岡地区ではどんな野菜がどれくらい取れるのか調べました。その結果、十分やっていけると確信し、「高岡フラワーベジタブル」のなかに給食部会を立ち上げました。部会長は、農民連会員の渡部鋼一さん(63)。事務局を担当するのは、真っ赤なつなぎ作業服の似合う茶髪にピアスの小玉美花子さん(23)です。

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野菜づくりの打ち合わせ(左2人目から北嶋さん、渡部さん、小玉さん)

 学校、教育委員会と話し合いを持ち、二学期から給食への納品がスタート。8月24日の給食メニューはハヤシライスで、給食部会のタマネギとジャガイモが使われました。「安全・安心な地元の野菜を子どもたちへ」という長年の夢がかないました。いま、17戸の協力農家は輝いています。

(秋田県農民連 北嶋賢子)

(新聞「農民」2010.11.29付)
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2010年11月

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