「農民」記事データベース990322-399-05

「牛肉自由化」の先例あげて「関税化」の不当性追及

中林議員ら

 「牛肉の輸入自由化は畜産経営に影響を及ぼさない」、九日の衆院農水委員会で、コメの先例として牛肉の問題をとりあげた日本共産党の中林よし子議員の質問に対し、本田浩次畜産局長はこう強弁しました。
 しかし、輸入自由化によって枝肉価格が下がり、さらにヌレ子(乳用オス)がまったくお金にならず酪農経営も大打撃を被ったことは、畜産農家なら誰でも実感していること。白を黒と言いくるめる畜産行政トップの発言は許せません。さらに保障乳価を下げ、乳価の下支え制度そのものをなくそうとする政府のたくらみを、コメ関税化阻止のたたかいに引き続く大闘争で粉砕しましょう。

農家の減少に心痛めぬ答弁

 中林議員 牛肉の関税化以降、七年間で四割に近い八万九千戸の肉牛農家が離農に追い込まれている。これをどう考えるか。
 畜産局長 自由化の前も同じペースで減っている。小規模、高齢の兼業農家がやめていっただけ。消費の拡大にともなって輸入は増えているが、農家に及ぼす影響は回避してきた。
 中林議員はこの後、自由化前にも、先取りで調整品が入ってきて経営が圧迫されたこと、関税率が下げられるにつれ、減少のテンポも加速していることを明らかにして反論。
 農家の減少は当たり前、自由化の影響はないと言い張る答弁には、畜産農家を思いやる気持ちが微塵も感じられません。

国内で買いたたき外国には関税下げ

 十一日の参院農水委員会で、日本共産党の大沢辰美議員は乳製品の輸入について問いただしました。
 国家貿易品目である指定乳製品(脱脂粉乳、バター)に設定されたアクセス枠は十三万七千トン。しかし実際の輸入量は、九五年二十四万八千トン、九六年二十三万二千トン、九七年二十一万三千トンと二倍近く。本来ならば、枠を超える分は高い関税率が適用されるはずですが、枠内と同じ低い関税で輸入されています。これに対し、本田畜産局長は「需給がひっ迫したため」などと答弁。大沢議員は、規定どおりの関税をかけるべきだと強く要求しました。
 国内農家からは買いたたき、外国には関税を値引きとは、どこの国の政府かとあきれるばかり。それに、必要だから安く買ったと言うのであれば、必要ない米はどうして輸入するの…。

(新聞「農民」1999.3.22付)
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1999年3月

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