「農民」記事データベース990705-411-06

共同の要求で一層運動の輪広げよう

全国食健連が総会


 「WTO、戦争法、介護保険など、あらゆる分野で悪政の限り。広範な業種・階層のなかで危機が進行しており、共同の条件が広がっている」――六月六日、七日に開かれた全国食健連総会は、階層・業種を超えた運動を呼びかけ、来春、WTO協定改定を求める国際シンポジウムを開くことなどを決めました。

 東京・品川で開かれた総会には、全国から農民、消費者、労働者など六十人が参加。開会あいさつに立った全労連の小林洋二議長は学校給食や食品の安全、農産物の価格保障などの分かりやすい要求で全国的な運動を強めようと強調。
 今総会の“目玉”である農業関連産業労働者の特別報告では、農機メーカーの倒産・解雇とたたかう全国一般労働組合、地域住民・農民・商店街とも協力したとりくみを行っている明治乳業争議団、靴の輸入自由化とたたかっている東京靴工組合の代表が報告。

 討論では「醤油会社のグループと共同して純国産の醤油作りに挑戦している。『学校給食に県産米を』という運動が実り、農協系統が政府補助カット分を負担している」(新潟県農民連)、「品種開発は十年以上かかる。研究機関の独立行政法人化のもとでは短期間に結果を出さなければならず、農業振興につながらない」(全農林筑波地本)、「食健連の運動はあぜ道や食卓から日米安全保障条約が見える運動。航空の職場では新ガイドライン関連法の具体化として空港管制システムが米軍とオンライン化されようとしている。こうした問題と結んで安保条約廃棄の運動を広げたい」(国公労連)などと発言。

 小林農民連代表常任委員は、まとめのなかで「いまほど広範な階層との共通の要求にもとづく共同が求められているときはない。米の関税化をめぐって、政府・自民党が農協系統を取り込まなければできなかったことが明らかになったが、これは、地元で運動が広がっていればできなかったことであり、地域で食健連運動を大きくしていこう」と呼びかけました。


新農基法案でシンポひらく

茨城食健連

 茨城食健連は六月十五日、つくば市で、シンポジウム「どう見る? 新農業基本法」を開催。百二十人が参加しました。

 東亜大の暉峻衆三教授は「政府は、農業生産を増やす政策を禁じているWTOのルールに合わせるために新農基法を作り、価格保障もなくそうとしている。国民の食料を確保するためには、このWTOのルールを変える以外にない」と発言。
 また「WTOの閣僚会議でキューバのカストロ議長が『WTOは超大国と多国籍企業のためのものではないか』と演説すると大変な拍手が起きて握手攻めにあっていた」と紹介しました。

 対照的に、新農基法の検討に「調査会」専門委員として関わってきた東北大の大泉一貫教授は「政府が価格を保障すべきという考え自体が問題だ」として、価格保障をなくし、市場原理にゆだねるべきとの方向を示しました。同教授の「食料自給率は大した問題ではない」という発言には腹が立ちました。(「農民」茨城県南版から)

(新聞「農民」1999.7.5付)
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1999年7月

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